JIS X 0134-4原案作成委員会

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第3 種専門委員会

JIS X 0134-4原案作成委員会

<2022年度委員会活動報告>

委員長  木下 修司(東京都立産業技術大学院大学)

1. 経緯

本委員会は,ISO/IEC/IEEE 15026-4:2021の新規JIS原案(JIS X 0134-4)作成を目的として設立された。2021年版は2012年版の改正であるが,今回が初めてのJIS作成となる。

ISO/IEC/IEEE 15026は,当初は,現在のISO/IEC/IEEE 15026規格群の第3部で定める,リスク抑制のための“インテグリティレベル”を定めた規格であった。この規格を,より広い概念である“アシュアランス”を軸に規格群として再編成する機運が2000年代半ばにISO/IEC JTC 1/SC 7において高まり,2006年5月のプレナリ会議において改訂が決議され,その第4部としてISO/IEC 15026-4が2012年に発行された。2017年に開始された改訂作業においては,参照するライフサイクルプロセス規格の改訂版であるISO/IEC/IEEE 15288:2015及びISO/IEC/IEEE 12207:2017の発行に伴う整合性維持が実施されたほか,アシュアランス獲得のために必要なプロセス,アクティビティ及びタスクの全面的な見直しが実施された。

2021年のISO/IEC/IEEE 15026-4改訂版発行後,ISO/IEC JTC 1/SC 7国内委員会(事務局 一般社団法人情報処理学会 情報規格調査会)のWG 7(ライフサイクル管理)国内小委員会において,JIS素案作成委員会設立の検討が始まった。

2. 作業内容
2.1 作業の進め方

委員ごとに分担を決め,下訳を作成したうえで,別の委員によるレビューを実施した。その後,全体レビューとして,分担箇所どうしの整合性を見直した。作業中の審議事項については,委員長及び幹事が解説にまとめた。

2.2 作業中問題となった点

訳語の確定について多くの議論があった。主なものは次の通りである。
“assurance”の用語定義について,JIS X 0134-1:2021の定義“主張が達成されたか,又は達成されるであろうと正当化された確信の根拠”を変更し,“主張が達成されたこと又はこれから達成されることの,正当化された確信の根拠”とした。これは,原文("grounds for justified confidence that a claim has been or will be achieved")の意味を再度検討し,より正確な日本語にした結果である。また,“正当化された確信の根拠”については,“正当な確信の根拠”という案も検討された。“正当化”には“本来正しくないものを正当と主張するという意味合いを含む”という意見もあったが,“確信は所
与のものとして正当ではなく,どこかで“正当である”と議論・合意する(正当化する)ものである”という意見を採用した。

3. その他

特になし
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