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公開レビューのお願い

 文字情報技術促進協議会文字情報基盤委員会 委員長 高田智和
情報処理学会情報規格調査会SC 2専門委員会 委員長 田代秀一

 

今般、一般社団法人文字情報技術促進協議会(CITPC)と一般社団法人情報処理学会情報規格調査会SC 2専門委員会(JSC2)は、文字コードの国際規格を担当する国際機関、ISO/IEC JTC 1/SC 2 委員会で審議を予定している提案内容について、日本の国内外のみなさまから、広くご意見をうかがうため、共同で公開レビューを行うことと相成りました。みなさまからの、忌憚ないご意見をいただけるようお願いする次第です。

レビュー対象

 我が国では、人名や地名などの表記のために6万種以上の漢字が用いられています。行政文書などのデジタル化にあたり、これらの文字を国際規格に基づいて使用できるようにするため、2002年に開始された国の委託による調査・研究プロジェクト「汎用電子情報交換環境整備プログラム」と、それに続く「文字情報基盤整備事業」により、国際規格(ISO/IEC 10646)で既に規格化されていた文字との対応付け、そこで不足していた文字の新規規格化、フォントの整備などが行われました。ここで整備された文字フォントおよび関連する各種情報は、「文字情報基盤」として2020年よりCITPCが運用・管理を行っています。
 今回、CITPCとJSC2は、国際規格ISO/IEC 10646の利便性をより向上させ、また、文字情報基盤をより使いやすく信頼性の高いものとするため、同規格に対し、上記の取り組みで整備された文字の図形を例示字形として追加する提案(以下、水平拡張提案)を行うこととしました。この水平拡張の提案が今回の公開レビューの対象です。
レビュー対象のリストは、CITPCホームページ https://moji.or.jp/about/release/ よりアクセスできます。

レビュー期間

 2023年5月12日〜6月30日(コメント〆切)

コメント宛先

 文字情報技術促進協議会お問合せフォームにて、問い合わせ内容「文字情報基盤 UCS水平拡張公開レビューについて」を選択し、コメントを送信下さい。
https://moji.or.jp/about/contact/

コメントディスポジション

 頂いた個々のコメントに関しては、CITPCの文字情報基盤委員会及びJSC2において検討し、その結果を、当ホームページに掲載するとともに適宜ISO/IEC JTC 1/SC 2での規格化議論へ反映していきます。
個々のコメントに対するコメントへの回答は行いません。その点についてはコメントをお寄せくださる方々に、あらかじめお断りするとともに、非礼について御寛恕を乞う次第です。

提案の背景

 デジタル庁では国の基本的なデジタルデータを整理・公開するための「ベースレジストリ」整備の検討が進められています。そのなかで、人名・地名等の表記に必要となる文字についてはCITPCが管理・運用する文字情報基盤を使用するものとされています 。
文字情報基盤の全ての文字は「文字情報一覧表」としてCITPCから公開されており、そこには文字情報基盤の各文字が国際規格ISO/IEC 10646に規格化されているどの文字に対応づけられるかの関係(MJ文字図形名と—UCS符号位置との対応、以後MJ-UCS対応と略記)が示されています。しかし、国際規格であるISO/IEC 10646側にはその関係が一部明記されていません。そこで、現在空欄となっているこの情報を埋めるための「水平拡張提案」を行います。
また、この水平拡張提案にあたり、MJ-UCS対応について再確認を行います。
CITPCでは、2020年に文字情報基盤の各種情報の運用・管理を引き継いで以来、文字情報一覧表に対して、国内外から、MJ-UCS対応を中心に複数のコメントを頂戴しました。今回の水平拡張提案にあたりCITPC文字情報基盤委員会において包括的なレビューを行ったところ、別表に示す44文字についてはMJ-UCS対応に対して修正を含めた再検討が必要であるとの判断に至っております。この修正案についてもご意見をいただきたいと考えております。



 1 https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/62ec4ac2-783b-4461-8559-df2c5b3e5592/bdc2dc95/20230228_meeting_data_strategy_outline_01.pdf



公開レビューの背景

 文字コードに係る国際規格策定の作業は、国際組織であるISO/IEC JTC 1/SC 2が担当しており、情報処理学会情報規格調査会SC2専門委員会がその日本側窓口(ミラーボディ)として規格策定に関わっています。
しかし、文字情報基盤の文字は、時には、人名や地名の表記という個人や地域の尊厳に関わる分野にも用いられるだけに、特に、上記規格化組織の技術的専門家による議論だけではなく、広く利用者一般のご意見も真摯に受け止める必要があります。
みなさまにおかれましては、符号化文字集合規格を所与のものと考えるのではなく、みずからが関与して改善していくべきものである、とのお考えのもと、忌憚のないご意見をいただけるよう、改めてお願いする次第です。