システム及びソフトウェア技術-ソフトウェア及びシステム開発における作業生産物のレビューのツールの能力JIS原案作成委員会
第3 種専門委員会
システム及びソフトウェア技術-ソフトウェア及びシステム開発における作業生産物のレビューのツールの能力JIS原案作成委員会
<2021年度委員会活動報告>
委員長 薮田 和夫(早稲田大学)
1. 経緯
システムの活用は企業内にとどまらず直接企業の顧客が利用し,また,組込みソフトウェアとして日常生活に不可欠な要素となり,品質確保のためにレビューの重要性はますます高まっている。大規模プロジェクトでは,1000件を超えるレビュー指摘事項があり,これらに漏れなく対処するには,ソフトウェアツールの利用が不可欠である。しかし,レビューツールとして具備すべき能力は規定されておらず,文書にメモを付与するだけのものから,レビュー指摘事項の状態を管理をするものまで千差万別であり,利用者は何をもってレビューツールとするのか不明瞭であった。国際規格でもこのような状況を踏まえ,作業生産物レビューのツール規格がISO/IEC23396として2020年に制定された(以下,対応国際規格という。)。このため,国内においても対応国際規格と整合性のある作業生産物レビューのツール規格をJISとして制定することとした。
レビューツールについて,国内ではJISはもとより,その他の規格に類する文書がなかったため,対応国際規格の開発に参画した一般社団法人情報処理学会情報規格調査会のSC7/WG4小委員会のメンバーを中核とし,さらに,この規格の引用規格となっているJIS X 20246の原案作成委員会のメンバーも加えてJISを開発した。
この規格は,主として,箇条3(用語及び定義),箇条4(レビューツールのオブジェクトモデル),箇条5(レビューツールのエンティティ),及び箇条6(レビューツールの能力)の規定から構成されている。
レビューツールについて,国内ではJISはもとより,その他の規格に類する文書がなかったため,対応国際規格の開発に参画した一般社団法人情報処理学会情報規格調査会のSC7/WG4小委員会のメンバーを中核とし,さらに,この規格の引用規格となっているJIS X 20246の原案作成委員会のメンバーも加えてJISを開発した。
この規格は,主として,箇条3(用語及び定義),箇条4(レビューツールのオブジェクトモデル),箇条5(レビューツールのエンティティ),及び箇条6(レビューツールの能力)の規定から構成されている。
2. 作業内容
2.1 作業の進め方
(1)作業環境はZoom会議とし,レビューツールを用いて月一回委員会を開催した。
(2)幹事と専門家一名で委員会ごとに毎回準備会月二回行い,
a) 英日訳語対応表,b) 日本語翻訳,c) 英語原本,指摘マーク付を準備して委員会に臨んだ。
(3) 訳語選定の原則を以下の通り定めて審議した。
(2)幹事と専門家一名で委員会ごとに毎回準備会月二回行い,
a) 英日訳語対応表,b) 日本語翻訳,c) 英語原本,指摘マーク付を準備して委員会に臨んだ。
(3) 訳語選定の原則を以下の通り定めて審議した。
a) 原則として日本語とする
a-1) JIS用語を最優先とする,
a-2) JSTQBで日本語があれば採用する(Japan Software Testing Qualifications Board)
a-3) ISO/IEC12207など,JIS化された他の関連規格を参照し,合わせた方が良い場合
a-2) JSTQBで日本語があれば採用する(Japan Software Testing Qualifications Board)
a-3) ISO/IEC12207など,JIS化された他の関連規格を参照し,合わせた方が良い場合
b) カタカナを使わざるを得ない場合
b-1) JIS用語として定義されている場合
b-2) 日常カタカナでしか使われていない用語
b-3) 対応する日本語の概念がなく,日本語の対応が困難な場合
b-2) 日常カタカナでしか使われていない用語
b-3) 対応する日本語の概念がなく,日本語の対応が困難な場合
2.2 作業中問題となった点
特になし。対応国際規格の開発者が原案作成委員として参加していたため規格内容の把握における問題はなかった。また,訳語選定に関しては,本規格の原案作成に先行したJIS X 20246原案作成において,レビュー関連の訳語が定義されていたため,滞りなく行われた。
3. その他
特になし。