JIS Q 42006 原案作成委員会

  • シェアする
  • ポスト
  • noteで書く
  • LINEで送る

第3 種専門委員会

JIS Q 42006 原案作成委員会

<2025年度委員会活動報告>

委員長 髙村 博紀(一般財団法人 日本品質保証機構、現在、AI セーフティインスティテュート及び独立行政法人 情報処理推進機構に出向中)

1. 経緯

本委員会は、ISO/IEC 42006:2025 のJIS 原案(JIS Q 42006)の作成を目的として設立された。

この規格は、JIS Q 42001 に基づき構築されたAI マネジメントシステムを審査及び認証する機関に対する要求事項を規定したものである。ビジネスにおいてAI の利活用がますます増えている現状を考えるに、組織はAI システムに関するマネジメントシステムを構築することが重要であり、それに資するための規格としてISO/IEC 42001:2023 を基としたJIS Q 42001 が2025 年8 月に制定された。これによって、各組織は当該規格に従ってマネジメントシステムを構築すればよいことになるが、構築したマネジメントシステムが当該規格の要求事項に適合し、組織にとって十分かつ有効であるかについては、第三者機関による審査及び認証を受けることが必要となる場合がある。一方、審査及び認証する機関に対しては、マネジメントシステム規格への適合性を評価するための技術的能力を有し、かつ、公平性・公正性の観点から審査できることが求められるが、それら機関に対する要求事項を規定する規格として、ISO/IEC 42006(Information technology-Artificial intelligence-Requirements for bodies providing audit and certification of artificial intelligence management systems)が2025 年7 月に発行されている。

今後、我が国において各組織が構築したAI システムに関するマネジメントシステムの十分性及び有効性を第三者機関が公平・公正に評価することが、AI システムの適正利用によるより良い社会の実現の一助となるには、国際的に整合が図られた認証制度の整備が必要であり、そのためには国際規格に基づく要求事項を満たす審査・認証機関が不可欠である。こうしたことから、ISO/IEC 42006 を基にJIS を制定する必要があると判断し、本JIS 原案作成委員会を設立し作業を実施した。

2. 作業内容

2.1 作業の進め方
幹事団(委員長と幹事)を形成し、下訳を作成したうえで、委員全体によるレビューを実施した。委員からのコメントに対して計6回の委員会を開催し、意見集約をはかった。また、作業中の審議事項については、委員から意見を賜り、幹事団が解説にまとめた。


2.2 作業中問題となった点
今回のこの規格の審議において問題となった点について、特に読者への留意事項となるものを、以下に記載する。
audit の訳語が問題となった。一般的にaudit は“監査”と訳されることが多く、企業においては内部監査などの用語が浸透している。しかし、この規格はJIS Q 42001 への適合性を評価する機関に対する要求事項を規定したものであり、その場合は“審査”と訳すこととした。
審査チームを指揮する審査員の選定に対して、特例期間の起点をどの時点とするかが問題となった。審議の結果、この規格は国際的に用いられていることから、この規格ではなく対応国際規格の発行年(2025年)を明記して、その翌年から最長2 年間を特例期間とすることとした。

3. その他

今後、国際規格ISO/IEC 42006 が改訂された場合は、別途委員会を組織し、当該対応規格の改正を実施する必要がある。
  • シェアする
  • ポスト
  • noteで書く
  • LINEで送る