X 0134-1及びX 0166 JIS原案作成委員会

第3 種専門委員会

X 0134-1 及び X 0166 JIS 原案作成委員会

委員長 木下修司(東京都立産業技術大学院大学)

1. 経緯

 本委員会は,ISO/IEC/IEEE 15026-1:2019 の新規 JIS 原案(JIS X 0134-1)作成,及び,ISO/IEC/IEEE 29148 の 2011 年版から 2018 年版への改正に伴う改正 JIS 原案(JIS X 0166)作成を目的として設立された。
 ISO/IEC/IEEE 15026-1 はシステム及びソフトウェアアシュアランスを規定する 4 部立ての規格群の第 1 部であり,概念及び用語を定める規格である。2019 年版は 2013 年版の改正であるが,今回が初めての JIS 作成となる。
 ISO/IEC/IEEE 29148 は要求エンジニアリングの基本概念を示し,ソフトウェアライフサイクルプロセスISO/IEC/IEEE 12207(JIS X 0160)及びシステムライフサイクルプロセス ISO/IEC/IEEE 15288(JIS X 0170)における,要求エンジニアリングに関連するプロセスをガイドする規格である。

2. 作業内容

2.1 作業の進め方

 いずれの規格も,委員ごとに分担を決め,下訳を作成したうえで,別の委員によるレビューを実施した。その後,全体レビューとして,分担箇所どうしの整合性を見直した。作業中の審議事項については,委員長及び幹事が解説にまとめた。

2.2 作業中問題となった点

 訳語の確定について多くの議論があった。主なものは次の通りである。
 JIS X 0134-1 において,integrity level は,“インテグリティレベル”とした。これまでの JIS 規格では,“integrity”の訳語を“完整性”,“integrity level”の訳語を“完整性水準”とするものもあった(JIS X 0160, JIS X 0170)。しかし,“integrity level”における“integrity”は,従来“完整性”と訳していた用語とは異なることがこの規格に明記されていること,また,カタカナでの用法が一般的であり,その他の訳語が国内に浸透していないことを考慮した。
 JIS X 0166 において,requirements は,“要件(要求事項)”と訳出した。これは,JIS X 0160:2021 での訳語を踏襲したもので,旧規格及び JIS X 0170 での表記“要求事項”との整合と,産業界で浸透している用語である“要件”の反映とを考慮したものである。

3. その他

特になし