SC 42 専門委員会 (人工知能)
第1 種専門委員会
SC 42 専門委員会(AI/人工知能)
<2024年度委員会活動報告>
委員長 杉村領一(国立研究開発法人産業技術総合研究所 情報・人間工学領域)
1. スコープ
2. 参加国
参加国は本報告書作成時点 2025年7月において,P-メンバ48か国(オーストラリア,オーストリア,アゼルバイジャン,バハマ,ベルギー,ブラジル,カナダ,中国,コートジボワール,キプロス,デンマーク,エジプト,フィンランド,フランス,ドイツ,ハンガリー,インド,イラン,アイルランド,イスラエル,イタリア,韓国,ルクセンブルグ,マレーシア,マルタ,オランダ,ニュージーランド,ノルウェイ,ペルー,フィリピン,ポーランド,ポルトガル,ロシア,ルワンダ,サウジアラビア,シンガポール,スロバキア,スロベニア,南アフリカ,スペイン,スウェーデン,スイス,トルコ,ウガンダ,英国,米国,ジンバブエ,日本),O-メンバは27か国である.
日本のエディタ引き受け状況は,現在まで総計9件である.詳細は,AWI TR 18988 (今井健氏),PWI 42114(原田要之助氏),5259-2:2024(金京淑氏),TR 5469:2024(江川尚志氏), 2024, CD 42105(江川尚志氏),AWI 25589(鄭育昌氏),AWI TR 24030(鄭育昌氏), TR 24030:2024(鄭育昌氏), 5338:2023(鄭育昌氏),以上である.
日本のコンビーナ引き受け状況は,現在まで4ポジション,5名である.JWG1(原田要之助氏),JWG3(津本周作氏),WG2(金京淑氏),WG4(丸山文宏氏),WG4(細川宜啓氏)となっている.
コンビーナ経緯概要は以下である.WG 1のコンビーナは,Paul Cotton氏(カナダ)が発足当から務め,Marta Janczarski氏(アイルランド)に2024年10月へ交代したが,Janczarski氏の健康上の理由により,2025年8月までPaul Cotton氏が代理を務めた.現在は Janczarki氏が務めている.WG 2 のコンビーナはSC42発足当初は,Wo Chang氏(米国)が勤めた.Chang氏の突然の辞任が2022年12月にあったため,2022年12月から2023年3月まで金京淑氏(日本)が暫定コンビーナを務めた.2023年4月からは,David Boyd 氏(米国)が務めている.WG3のコンビーナは,SC42発足当時より継続してDavid Phillip氏(アイルランド)が勤めている.WG4のコンビーナは,2018年4月時点では Use case and application Study Groupのリードとして丸山文宏氏(日本)が担当し,その後,SGがWG4 となり2024年10月まで一貫してその任に当たった.その後,細川宜啓氏が引き継いで今日に至っている.セクレタリは鄭育昌氏(日本)が勤めている.WG 5のコンビーナは2018年4月当初はSG2 としてWG 5 の前身が立ち上がり,当初はTangli Liu 氏(中国)がその任に就いたが,現在はNing Sung 氏(中国)が担当している.JWG1は,発足当初はドイツからコンビーナを出したが,途中退任のため,原田要之助氏(日本)が引き継ぎその任をJWG1の解散まで全うした.JWG2は,Adam Smith氏(英)と Stuart Leid氏(英国)が勤めている.JWG3は津本周作氏(日本)がコンビーナを,村瀬元氏(日本)がセクレタリーを務めている.JWG4 は,Riccardo Mariani氏(イタリア)が担当している.JWG5はLauriane Aufrant(仏)とAvashlin Moodley氏(南ア)が,JWG6はMartina Paul(スイス) とGraeme Drake氏(オーストラリア)が勤めている.
3. トピックス
・参加国の増加
2024年4月の韓国・ソウル総会開催時点でPメンバーが39,Oメンバーが25,総計64ヶ国であったが,10月のフランス・パリ総会開催時点では,Pメンバーが41,Oメンバーが25,総計66ヶ国となり,発足以来,順調に参加国を増やしている.なお,執筆時点では,Pメンバが48,Oメンバーが27,総計75ヶ国となっている.
・日本からの安定した総会参加者
日本からの総会参加者はフランス・パリ総会で,Delegates として20名,Officer として4名,Liaison として3名,WG Expert として3名,総計30名となり,大きなプレゼンスを示す状態となっている.
・データ関連規格の進捗(WG2)
日本からWG2データへシリーズ提案を行ったISO/IEC 5259シリーズ(1,2,3,4,5) の開発が順調に進み,出版に至った.当該プロジェクトは,突然のWG2コンビーナの辞任の後,金京淑氏がその任を引き継ぎ,安定した議論を実現をした功績に大きく支えられていることは特記したい.
・機能安全規格のシリーズ化(WG3, JWG4)
機能安全規格はWG3においてTR5469を日本から提案し開発も日本の江川氏が担当したが,これを元に,機能安全規格の必要性についての国際的認知を確立でき,JWG4の設立へつながり,JWG4においてTS22440が検討され,3つもパート (requirements, guidance, examples of application)としてシリーズ化されることが確定した.日本からは,神余氏(三菱電機),金川氏(日立),大岩氏(産総研)などの貢献が大きい.
・ユースケースの継続開発と,新規展開(WG4)
TR24030ユースケースは,日本がSC42発足当時から継続して開発を進め,改定へも積極的に貢献している規格である.この議論を核として,グローバルサウスの1国であるウガンダからのエディターの育成支援を,日本提案である Human Machine Teaming のユースケース開発を通じて進めている.また,SC42のミッションの一つである,AIアプリケーションへのガイダンスを提供を実現するため,ISO/IEC 5339 Guidance for AI applicationsの開発を担当し,これを完遂させている.
・水平標準の垂直標準への展開(JWG3)
水平標準の垂直展開として,AI enabled health informaticsを担当するJWG3 で,AWI TR Application of AI technologies in health informatics”の開発が進むとともに,ISO/IEC AWI 22989-2 Concepts and terminology — Part 2: Healthcare が立ち上がった.今後の垂直展開を行う際のリードプロジェクトとして注目されている.
4. 日本対応/方針
SC42議長であるWael Diab 氏からの強い期待もあり,JWG3は垂直規格を開発を進める試金石的WGとして位置づけられている.このため,元AI学会会長の津本氏(島根大学)に国際コンビーナをお願いすると同時に,今井氏(東京大学)にエディターを,そして,国際セクレタリーに村瀬氏(日本光電)を配し,リード体制の充実を図っている.
適合性評価関連の基本ドキュメントとなることが期待されているISO/IEC 42001のJIS化を進めた.
5. その他
産総研主催で人工知能標準化国際シンポジウム:Trustworthy AI 実現へ向けたAI標準化を7月3日(水)~5日(金)に日本科学未来館にて開催し,80名の国内外の専門家の参加を得た.