SC 28国内委員会 (オフィス機器)

第1 種専門委員会

SC 28国内委員会 (オフィス機器/Office Equipment)

<2025年度委員会活動報告>

委員長 小澁 弘明

1.スコープ(担当範囲・目的)

SC28専門委員会は日本が国際幹事国業務、議長国を引き受け、積極的に活動を行っている。5つのWGとAGがあり、いずれにも参加している。
SC28はJTC1の中でも数少ないハードウェアの標準化を進めているが、市場の要求で環境やアクセシビリティへの課題に範囲を広げている。オフィス機器とその隣接分野の標準化との関係が複雑になっている。2016年にはスコープに3Dプリンタを追加し活動の範囲を広げた。さらに種々のオフィス機器間の画像再現性や機器上で動作するアプリケーションに対応する等の課題がある。

SC 28の担当範囲は下記に示される.
Standardization of basic characteristics, test methods and other related items of products such as 2D and 3D Printers/Scanners, Copiers, Projectors, Fax and Systems composed of their combinations, excluding such interfaces as user system interfaces, communication interfaces and protocols.
 
オフィス機器は,日本が主要生産国であるので,主導権をとりながら活動を行っている.
  •   Pメンバは9カ国,Oメンバは22カ国となっている.
  •   議長及び幹事国は2002年以降引き続き日本が引き受けている.
  •   現在のSC 28は1つのAdvisory Group(AG)及び5つのWGから構成されている.中長期戦略を議論するAG,Consumables消耗品:WG 2,機器の生産性:WG 3,Image Quality Assessment画質評価:WG 4,オフィスカラー:WG 5,サステナビィリティ:WG6がそれぞれのテーマを担当している.日本は,WG4・WG5・WG6のコンビナを務めている.
  •   一方, SC 28国内委員会は従来通り一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)において運営され,国際に対応する1AGJ,5WGJ体制で審議を行っている.
  •   2025年度の国際会議としては,第36回総会5月16/17日 F2F一部リモート会議)及び,各AG会議が開催され,日本から参加した.

2.国内活動内容

(1)開催状況

SC 28専門委員会と各WGは,基本的に毎月一回のF2F・オンラインで開催している.

(2)主な審議事項及び国際会議へのアウトプット(成果)

 AGJ(戦略検討とロードマップ)主査:大泉政浩(JBMIA)
AGの使命のひとつは現在と将来のマーケットニーズを分析・予測し、SC28の短期・中期ロードマップの策定を行うことにより、新たな標準化課題発掘のベースを作ることにある。
新規テーマ探索の切り口として、今期前半はJBMIAで国内向けに開発された標準(JBMS)についてISO化の可能性を議論した。その結果、JBMS-93 ビジネスIJ仕様書様式のISO化を抽出し、その内容からWG3Jに継続作業を引き継いだ。
今期後半は、SC28以外の団体との関連性に着目した。事務機と関係が深いSC41(IOT)にフォーカスしキーパーソンを招いたブレストを実施。SC28/SC41双方の規格団体が連携する事で相互にメリットを出せないか、議論を継続している。


WG2J(消耗品、29142WG含む)主査:澤田 悦子(キヤノン)
これまでイールドと言われるカートリッジ当たりの印刷可能枚数に関する標準の作成及び改訂に主に携わっており、10件の規格が発行されている。ISO/IEC 19752(モノクロトナーイールド測定方法及びテストチャート)、ISO/IEC 19798(カラートナーイールド測定方法)の改定版が発行され、ISO/IEC 24712の追補も発行予定である。現在はCISS機と呼ばれるインクを補充するタイプのインクジェットプリンタに対するイールド測定方法の規格化が進行中。


WG3J(生産性)主査:下村 明彦
プリンタ・スキャナ・複写機・MFP等の生産性(スピード等)の測定方法を対象とし、日本業界内での審議と意見集約、及び国際会議等において日本としての意見提出を行っている。
①下記、プロジェクトが進行中
  • ISO/IEC 17629(Method for measuring first print out time for digital printing devices) 改定:2025年11月26日発行済
  •  NWIP for Method for measuring photo printing productivity:提案予定
  •  ISO/IEC 29183(Method for measuring digital copying productivity for a single one-sided original)改定(日本がエディター):2026年2月DIS承認済
  •  ISO/IEC 21117(Information to be included in specification sheets and related test methods for copying machines and multi-function devices)改定(日本がエディター):2026年2月DIS承認済
  •  ISO/IEC 17991(Method for measuring scanning productivity of digital scanning devices):改定予定
② 下記、Systematic Review 実施中
ISO/IEC 17991(Method for measuring scanning productivity of digital scanning devices)について日本はreviseと回答する予定。


WG4J(画質評価)主査:井出 収(富士フイルムビジネスイノベーション)
SC 28国内委員会WG4Jは、オフィス機器の画像評価に関わる国際規格の開発と改定、及び発行済み国際規格の定期見直し対応、新規案件の探索などの活動をおこなっている。
今年度の主な活動概要は以下の通り。
  •  カラー粒状性/モトル評価方法の規格化に関して、課題を整理し、開発方針を決めた。
  •  種々の周波数応答性評価方法を比較、CTF法の規格化の意義を明確にした。
  •  WG5が開発中のテストチャート作製法に関するISO/IEC 25397の課題を明確化した。規格開発の中止、ISO/IEC 15775改定に移行するという方向性を示した。

WG5J(オフィスカラー)主査:森本 悦朗(リコー)
WG5設立時に日本が積極的に提案活動をしていたこともあり、SC28のWGとしては初めて主査を日本で引き受け活動している。

日本がエディターを務めているISO/IEC 25397は、9月のCRM会議でTitleを”Method for creating printed test charts for testing printing reproduction of colour copying machines and multifunction devices with copying modes”へ変更し、12月のWG5会議でテストチャートの概略構成案の提示まで遅延なく進めてきたが、以降はプロジェクトの進め方を大きく方針変更することとなった。2026年2月のWG5会議で、今後はISO/IEC 25397としての開発は継続させず、既存のISO/IEC 15775の改定プロジェクトとして、これまでISO/IEC 25397で検討してきたテストチャートを盛り込み、更にWG4と協調してテストチャート品質に関する必須要件も充実させていくことで合意された。2026年6月のPlenary会議で改定プロジェクトの進め方および体制が決定され次第、再び日本が主管となって検討再開する予定となっている。


WG6J(サステナビリティ)主査:大泉 政浩(JBMIA)
テーマごとに2つのSWで活動した。いずれも日本主導でドラフトの作成が進められている。
  1.  Common Security Guideline(ISO/IEC 7184)について、2025年度札幌総会で合意された改定ポイントをもとに、CIBプロセスに入った。 その後寄せられたコメントを反映したWDを回覧しており、最終ステージに入った。
  2.  サーキュラーエコノミー(TS22983)については、2025年度札幌総会で用語定義の原案を審議し、活動を加速させることが合意された。それを受けてNP, 12月のバンクーバー国際会議をへてWDの最終ステージに入った。EUとの連携を視野にリエゾン構築も進められている。

ISO/IEC 21118(データプロジェクターの仕様書様式)PL:柏木 章宏(セイコーエプソン)
ISO/IEC 21118は本年度、SR投票が行われ、規格の維持となった(日本は改訂で投票)。データプロジェクター市場での環境変化、第3版(2020)の不備の是正に伴い、規格の  改訂が必要であるため、CIB投票を実施し、2025/11月に改訂プロジェクトが可決された。現在、1stドラフト回覧中。

3.課題

① 新テ-マの発掘とNP提案の促進(継続)
② 制定された国際規格のJBMS/JIS化の推進(支援)
③ Secretariat (Chairman & Committee manager)業務への支援
・Plenaryは米・欧・アジアで持ち回り開催として運営してきたが、欧州メンバーの活動が不活発なため(事務機メーカーがいない)欧州での開催が難しくなっている。
・また、アジアの中国での開催も状況的に渡航を制限する企業もあり、微妙である。 
・日本は最大のデレゲーションであるが(メーカー数が最大)、長期的な活動活性化が課題であろう。

4. 次年度の予定(見通し・計画)

国際会議への参加予定
2026/6 日本(金沢市)
2027/6     (未定)