SC 22専門委員会 (プログミング言語,その環境及びシステムソフトウェアインタフェース)
第1 種専門委員会
SC 22専門委員会 (プログミング言語,その環境及びシステムソフトウェアインタフェース/Programming languages, their environments, and system software interfaces)
<2025年度委員会活動報告>
委員長 高田 正之(江戸川大学)
1.スコープ(担当範囲・目的)
- 当委員会の担当領域:プログラミング言語,その環境およびシステムソフトウェアインタフェース分野に関する国内審議および国際標準化活動への対応.
- 主な役割:国内意見の集約,国際会議への提案・コメント提出,規格案のレビュー など
2.国内活動内容
(1)開催状況
- 2025年度は,専門委員会をハイブリッド形式で3回開催した.
- 対面参加は委員長,幹事を含む2~5名,オンライン参加と合わせて8~12名であった.内訳は,企業,企業OB,大学OB,経産省であり,OBが約半数である.
- 各WG・SGはそれぞれ独立に活動し,専門委員会には主査が参加している.
(2)主な審議事項
- 2025年度にレビューし発行に至った国際規格等は3件あった.
ISO/IEC TS 13211-3:2025(Prolog第3部:Definite clause grammar rules)
ISO/IEC 1539-1:2023 Cor 1:2026(Fortran第1部の正誤表)
ISO/IEC/IEEE 9945:2026(POSIX Base specifications)
ISO/IEC 1539-1:2023 Cor 1:2026(Fortran第1部の正誤表)
ISO/IEC/IEEE 9945:2026(POSIX Base specifications)
- ほかにNP 1件,CD 2件,SR 8件,CIB 5件を審議した.
(3)特記事項
- この分野の規格は,日本発のISLISPとRubyを例外として大部分が欧米主導で開発されていて,国内委員会の活動の中心は規格案の精密な点検となっている.
- Fortran,COBOL,C,C++,C#,ECMAScriptなどに関しては担当WG/SGに検討を委ね,専門委員会では,それら以外の言語等の検討,WG/SGへの作業配分と検討結果の調整,共通の課題の議論などを行っている.
3.国際会議へのアウトプット(成果)
(1)提出文書・コメント
(2)国際会議での貢献
(3)成果・影響
- コメント提出(多くの投票において,編集上のものを中心に数件~数十件)
- 提案文書の提出(2025年度は,日本提案のFortranのgeneric subprogramの作業文書数件を開発母体INCITS/Fortranに提出した.)
(2)国際会議での貢献
- SC 22総会は,WGと独立に開催され,国際的な調停や計画を議論するだけで技術的な問題を直接取り扱わない.2025年度の総会には日本から2名がオンライン参加したが,決議文書の表現改善以外の貢献は特にない.
- 対応国内WGのある国際WG会議は2025年度に10回開催された.そのうちWG 5(Fortran)1回とWG 21(C++)3回に通算で延べ5名がオンライン参加,1名が対面参加した.対面参加はFortranの日本提案の議論のためである.(他の国内WGは,メールと投票で国際貢献している.)
(3)成果・影響
- Fortranの日本提案は,健闘の甲斐あってほぼ原案どおりの形で採用が確定した.
- 現在SC 22のPメンバは28か国あるが,積極的に規格作成作業に参加する国は少ない.総会に参加したり規格案にコメントしたりする国は,日米英のほかオーストリア,カナダ,中国,デンマーク,韓国などに限られる.近年オンライン参加国は増えたが貢献は少なく,引き続き日本の貢献が期待されている.
4.課題
(1)国内審議における課題
(2)国際会議における課題
(3)その他の課題
- 構造的な人材不足.SC 22で扱う言語は現役だが比較的古く,研究者や技術者の主力は新しい(国際規格によらない開発形態の)言語に偏りがちである.また,企業の技術者は規格検討に取り組む時間が割きにくい.退任委員の後任が補えないケースが多発している.各WGはJIS(改正)原案作成委員会の母体となってきたが,近年は実現が困難になっている.
- 人材不足に伴う高齢化.2. (1)でも触れたとおりOB委員が増えている.すでに,委員長や幹事が長期間交代できない,急な連絡が取れないといった深刻な問題が起きている.将来的に,世の動向の見誤りの危惧も考えられる.
(2)国際会議における課題
- 特になし.
(3)その他の課題
- 国際規格の翻訳関連の作業にAIを利用可能にすることが強く望まれている.JIS原案作成委員会でも,その準備段階でも,600ページを超す大部の規格を対象として,少数化した態勢で全訳や訳語集作成を実現するための必須条件となっている.
5. 次年度の予定(見通し・計画)
(1)審議予定の主な規格案
- ISO/IEC CD 1539-1(Fortran)
- ISO/IEC DIS 14882(C++)
- ISO/IEC DIS 1989(COBOL)
- ISO/IEC 8652:2023/CD Amd 1(Ada)
- ISO/IEC 24772-1:2024/DAM Amd 1(言語の脆弱性 第1部:言語共通)
- ISO/IEC DIS 24772-8(言語の脆弱性 第8部:Fortran)
(2)国際会議への参加予定
- SC 22総会(オンライン・2026-08-25/26)
- WG 5・INCITS/Fortran会議(英国コヴェントリー・2026-06-15/19)
- ほか,必要に応じてWG会議にオンライン参加
(3)委員会としての重点事項
- 人員の確保
- 国際規格翻訳へのAI活用の確保
