JTC 1/WG 13 (トラストワージネス)

第1種専門委員会

JTC 1/WG 13 小委員会(トラストワージネス/Trustworthiness)

 主査 河合 和哉((国研) 産業技術総合研究所)

1. スコープ

 WG 13 は,2018 年 8 月に JAG に設置された JAG Group on Trustworthiness に端を発し,その後 11 月のJTC 1 総会で Study Group 5(SG 5)が設置されてその活動が引き継がれた.その後,2019 年 5 月の JTC 1 総会において Advisory Group 7(AG 7)として改組され,2019 年 11 月の JTC 1 総会において SC 27 に提案されて成立した ISO/IEC TS 24462, Ontology for ICT Trustworthiness Assessment を移管して設置された.WG 設置時の ToR は以下である.
  • トラストワージネスのヒートマップを含む旧 AG 7 で開発したドキュメントのメンテナンス
  • 旧 AG 7 で検討したトラストワージネスの定義と特性のドキュメントを完成させる
  • トラストワージネスのフレームワーク、分類法、オントロジーなど JTC 1 としての水平的な成果物の開発

2. 参加国

  • コンビナ:Walter Fumy(DE) <2021.5 まで>
  • エキスパート参加国:AU, CA, CN, DE, DK, FR, IN, IT, JP, KR, LU, PT, RU, UK, US
  • リエゾン参加:SC 27, SC 31, SC 38, SC 40

3.トピックス

 WG 13 としては,SC 27 から移管された ISO/IEC TS 24462 に加えて,トラストワージネスの用語(ISO/IECTS 5723)を開発しており,その他では提案されたトラストワージネス・リファレンスアーキテクチャ(PWI5957)の検討を行っている.
(1) ISO/IEC TS 24462
SC 27 に提案されて成立したプロジェクトであるが,プロジェクト成立以来 1 年以上になるが,まだ WD第一版がまとまっていない.WG 13 設置当初は,SC 27 の関係者が WG 13 のエキスパートにいなかったため,SC 27 にエキスパート参加を要請した.日本としては開発が滞っても特段の影響はないことから,今後も開発状況をウォッチしていく.
(2) ISO/IEC TS 5723
旧 AG 7 での用語に関する議論を引継いたものである.TS とすることが提案されて NP 投票の結果,プロジェクトが成立し,ドキュメント開発を進めることとなった.WD が取りまとめられ,DTS にかける前のNB コンサルテーションを実施した.各国からのコメント解決ができ次第,DTS 投票に進む予定である.
(3) ISO/IEC PWI 5957
WG 13 設置後、インドのエキスパートから提案されたプロジェクトであり,会議でプレゼンはされるものの WD 開発が進まなかったことから,定期的にプロジェクト会議を開催して検討を進めている.
(4) Standing Document “Landscape of Trustworthiness”
WG の ToR に開発が示されているドキュメントであるが,エディタが会議に参加せず,ほとんど進捗がない.また,ドキュメントとしても SD として開発してよいのかの確認も必要である.

4. 日本対応/方針

WG 13 の設置に伴って,WG 13 の第一回の国際会議が 2020 年 4 月に予定されたことから,2020 年に本委員会を設置して国内での議論を開始した.WG 13 が 4 月 2 日,5 月 14 日,7 月 8 日,9 月 8 日,11 月 18 日, 1 月 12-13 日に開催されたことに伴って,本委員会は計 6 回の会合を開催して対応を検討した.
前項に記述のように SC 27 から移管され WG 13 設置のきっかけとなった ISO/IEC TS24462 は進捗が思わしくなく,また,AG 7 で検討が開始されたドキュメントについても用語(ISO/IEC TS 5723)を除いて進捗がほとんどない状態である.
JTC 1 の各 SC でトラストワージネスを議論する際に利用されることになる関連用語(ISO/IEC TS 5723)の開発には国内対応委員会として対応していく.