標準化功績賞・貢献賞: 2023

本学会情報規格調査会規程により、2023年度は2023年5月25日に開催の第38回規格総会で受賞者に表彰状が授与されました。

標準化功績賞

田代 秀一 氏 (学校法人 新潟総合学院 開志専門職大学)

田代氏は、1990年代から標準化活動に参加され、特にSC 2専門委員会をはじめとする文字コード関連の委員会で多大な貢献をされました。2013年からはISO/IEC 10646(国際符号化文字集合)に我が国の行政業務で必要とされる漢字と旧かな文字約2000種を追加する標準化活動を主導し、日本意見の国際規格への反映に大きく貢献されました。また2016年から2022年までは、SC 2(符号化文字集合)の国際議長を務め委員会運営に多大な貢献をされました。

原田 要之助 氏(学校法人岩崎学園 情報セキュリティ大学院大学)

原田氏は、2008年よりSC 27/WG 1の標準化活動に参加され、その後 SC 40/WG 1やSC 42/JWG 1等複数の委員会に参加され標準化活動に多大な貢献をされました。特にISO/IEC 27014(情報セキュリティガバナンス)、 ISO/IEC 27021(情報セキュリティマネジメントシステムプロフェッショナルの能力要件)、 ISO/IEC 38503(ITガバナンスのアセスメント)では プロジェクトエディタとして規格開発に尽力されました。さらに2020年から2022年にはSC 42/JWG 1(AIガバナンス)の国際コンビーナとして活躍され、日本のプレゼンス向上に大きな役割を果たされました。

渡邊 創 氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

渡邊氏は、2004年からSC 27/WG 2小委員会の委員として標準化活動に参加され、2012年からは10年の長きにわたりSC 27専門委員会の委員長を務められました。また、SC 27総会のHoDとして国際的にも活躍されました。 この間 IoT向け軽量暗号委員会の委員長やIoTセキュリティガイドライン委員会の幹事を歴任されるとともに、日本提案のプロジェクトをはじめとした国際規格群の開発および標準化人材の育成等に貢献され、情報セキュリティに関する国際標準化に大きな功績を残されました。

標準化貢献賞

猪飼 知宏 氏(シャープ株式会社)

猪飼氏は、2010年よりSC 29/MPEGの標準化活動に参加され、ISO/IEC 23008-2(HEVC)およびISO/IEC 23090-3(VVC)の規格化に貢献されました。コア実験コーディネータやAHG議長としても活動し、複雑度削減や機能拡張などを行いました。またISO/IEC 23008-8(HEVC Conformance)、ISO/IEC 23090-3(VVC)およびISO/IEC 23090-15(VVC Conformance)のプロジェクトエディタとして規格策定に多大な貢献をされました。

小倉 博行 氏(学校法人 日本大学)

小倉氏は、2014年よりSC 40/WG 1小委員会委員として、ISO/IEC 38500シリーズ(ITガバナンス)の開発に貢献されました。さらにSC 40専門委員会幹事としてSC 40短期集中セミナーの開催や会議運営に尽力されました。また、2020年から2022年にはSC 42/JWG 1小委員会の主査として、国内委員会の取りまとめに多大な貢献をされました。ISO/IEC 38507(ITガバナンス-AIの利活用が組織のガバナンスに与える影響)のJIS原案作成委員会の委員長としても活躍されました。

菊地 健史 氏(株式会社 日立ソリューションズ)

菊地氏は、SC 37/WG 2小委員会の主査として2017年4月より国内及び国際での議論を主導されました。特にソフトウェア・アプリケーション開発に長年携わった経験を活かし、バイオメトリクス技術を含むソフトウェア・アプリケーションのあり方を踏まえ、WG 2の代表的規格であるBioAPI(ISO/IEC 19784)シリーズ及びCBEFF(ISO/IEC 19785)シリーズの改定に大きく貢献されました。また、(一社)日本自動認識システム協会が主催する国際標準化セミナーでは、毎年講師として登壇しWG2担当規格の普及に努められました。

鈴木 幸太郎 氏(国立大学法人 豊橋技術科学大学)

鈴木氏は、2011年からSC 27/WG 2小委員会に委員として参加され、2020年からの2年間は主査として国内意見の取りまとめに尽力されました。国際会議では積極的に日本提案を支援し、国際標準化における日本の暗号技術の地位向上に貢献されました。また、あなたが開発したリング署名の精力的な提案活動によりISO/IEC 20008-3のプロジェクト設置にこぎつけ、2019年4月からはコエディタを務め、当該技術の標準化を主導されました。

土屋 直子 氏(NTTテクノクロス株式会社)

土屋氏は、ISO/IEC 27002(情報セキュリティ管理策)およびISO/IEC 27017(ISO/IEC 27002に基づくクラウドサービスのための情報セキュリティ管理策の実践の規範)の国際標準化において、国内意見のとりまとめや国際会議での日本意見の主張などの活躍をされ、ISMS関連規格発行へ多大な貢献をされました。また、JIS Q 27001、JIS Q27002およびJIS Q27017の作成にも携わられ、さらには、これらの規格に関して国内で数多くの講演や執筆をされISMS関連規格の普及に多大な功績を収められました。
 

早稲田 篤志 氏(学校法人 東京農業大学 東京情報大学)

早稲田氏は、2015年3月から今日に至るまで、SC 27専門委員会の幹事として 毎月数十件にも及ぶSC 27関係の全ての投票案件のスケジュールを管理し、各WG小委員会への回答案の作成依頼、SC 27専門委員会への承認依頼、技術委員会への提出、投票システムへの投入までの一連の処理を一人で完璧に行い委員会活動に貢献されました。さらには、ISO/IEC 10116:2017(セキュリティ技術− nビットブロック暗号の利用モード)のコエディタとして規格開発に貢献されました。