標準化功績賞・貢献賞: 2020

本学会情報規格調査会規程により,2020年度は2020年5月21日に開催の第35回規格総会で,受賞者に表彰状が授与されました。

標準化功績賞

谷津 行穗 氏

谷津氏は,1994年からSC7専門委員会およびSC7/WG6 小委員会に参加され25年にわたりソフトウェア及びシス テム技術分野の標準化に尽力されました。2010年からはSC7専門委員会委員長を務め国内意見の取りまとめに多大な貢献をされました。 国際の場ではSC7の主要8か国の日本代表メンバーとしてSC7の方針策定に貢献すると共にISO/IEC 25010などの複数プロジェクトのコエディタも務めソフトウェア品質の規格開発に多大な貢献をされました。 また規格役員として情報規格調査会の運営にも貢献されました。

標準化貢献賞

畔津 布岐 氏 (一般財団法人 日本情報経済社会推進協会)

畔津氏は,2008年(よりSC27/WG1小委員会に参加されISO/IEC 27001をはじめとする情報セキュリティマネジメント(ISMS)標準の開発に貢献されました。特にISMS 認証機関の認定基準として日本を始め世界各国で利用されているISO/IEC 27006についてはコエディタとして, またISMSセクター規格の構成・記載方法の共通化を目的とするISO/IEC 27009についてはプロジェクトエディタとして活躍され,さらにはJIS原案作成委員会に参加され国内普及にも尽力されました。

入江 満 氏 (大阪産業大学)

入江氏は,2000年からSC23専門委員会に委員として参加され 2017年からは委員長として光ディスクを含めたデジタルストレージ関連の国際標準化活動を主導されました。 特にDVDやBDなど数多くの光ディスクの物理規格の国際標準化に尽力され 光ディスクの期待寿命推定試験方法に関しては 経済産業省委託プロジェクトの委員として活躍されると共にISO/IEC 10995及びISO/IEC16963のコエディタとして国際規格開発に取り組まれ その信頼性向上とデジタルアーカイブ市場分野の開拓に多大な貢献をされました。

大山 潤爾 氏 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

大山氏は,JTC1/SC35/WG6のメンバーとして情報アクセシビリティに関する数多くの国際標準の審議に参加 されました。 特に聴覚障害者を含む多くのユーザにとって字幕が利用しやすいものとするISO/IEC 20071-23:2018の制定にプロジェクトエディタとして多大な貢献をさ れました。 またISO/TC159/WG2へエキスパートとして参加しJTC1における情報アクセシビリティに関する標準化活動成果を外部に普及させる活動にも貢献されました。

河村 圭 氏 (株式会社KDDI総合研究所)

河村氏は,SC29/WG11/VIDEO小委員会に委員として参加され 動画像符号化方式ISO/IEC 23008-2(HEVC)のレンジ拡張規格や多視点拡張規格の国際標準化に多数の技術提案を行い コア実験コーディネータやアドホックグループチェアを担当して同規格の性能向上に多大な貢献をされました。 また同規格に対する適合性試験規格においてはプロジェクトエディタを務めるなど関連規格の開発に尽力されました。

小石 健二 氏 (パナソニック株式会社)

小石氏は,2013年よりSC23専門委員会に参加され光ディスク関係の国際標準化に多大な貢献をされました。また経済産業省委託プロジェクト 光ディスクの期待寿命推定試験規格ISO/IEC 16963の制定においては中心的な役割を担われました。 さらには高密度光ディスク(Blu-ray Disc:BD)の物理規格のエキスパートとしてISO/IEC 30190をはじめとする記録形BDディスクの4規格において4K/8K放送録画の仕様を追加する改訂 のコエディタを務め国際規格開発に多大な貢献されました。

坂無 英徳 氏 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

坂無氏は,2001年よりSC29/WG1小委員会に参加され2値画像符号化方式JBIG2(ISO/IEC 14492:2001)について AMD2とAMD3のプロジェクトエディタとして,さらにAMD4と統合第2版(2019)のコエディタとして中心的な役割を担われました。 さらに前記 AMD2を利用した印刷用データ相互交換ファイル形式ISO12639:2004/AMD1:2007の開発に貢献されるなど組織を跨いだ活動でも大きな成果を残されました。

永沼 美保 氏 (日本電気株式会社)

永沼氏は,2002年の情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の立ち上げ当初よりSC27/WG1はじめとする委員会活動に参加されISO/IEC 27002(情報セキュリティ管理策の実践のための規範)等の幅広い 標準類の開発と審議に多大な貢献をされました。ISO/IEC 27102(サイバー保険)のプロジェクトエディタとしては保険業界の専門家の意見の集約と各国の意見調整に尽力されるとともに,2016年からはSC40専門委員会およびSC40/WG1においてITガバナンスの標準化にも貢献されました。

日間賀 充寿 氏 (株式会社 日立製作所)

日間賀氏は,2015年よりSC37専門委員会の幹事として, またSC37/WG5およびWG6小委員会の委員としてバイオメトリクスの標準化活動に多大な貢献をされました。2017年7月のSC37高松会議においては国際会議の開催国の幹事として円滑な会議運営に貢献され, WG5(技術の試験及び報告)では低コストな生体認証の精度評価方式を取りまとめ日本発の新規作業提案の成立に尽力されました。 さらにWG6(社会的課題)においても国際会議での日本の意見反映に多大に貢献されました。

吉田 博隆 氏 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

吉田氏は,2002年よりSC27/WG2の活動に参加され複数のプロジェクトエディタを担当して中心的役割を担われました。2016年からは軽量暗号技術におけるメッセージ認証コードを規定するISO/IEC 29192-6:2019のプロジェクトエディタとして国内外の調整に尽力され,日本が開発にかかわったアルゴリズムを二つ同時に採録 する多大な貢献をされました。 また2019年からはSC27/ WG2の副コンビナーとしても尽力されました。

和田 典子 氏 (山梨英和大学)

和田氏は,2010年からSC7/WG6小委員会に委員として参加されソフトウェア品質技術の国際標準化に多大な貢献をされました。 特にISO/IEC 25022(SQuaRE・利用時品質の測定)のコエディタとして国内外の議論を集約するとともに関連規格との調整にも尽力され, 効率的な国際規格の制定と品質向上に貢献されました。さらには対応JISの取りまとめも担当され 他のSQuaRE シリーズ規格にも多くの有益なコメントを提示され,SQuaRE シリーズ国際規格及び対応JISを利用価値の高いものとすることに多大な貢献をされました。

渡邊 修 氏 (拓殖大学)

渡邊氏は,2010年よりSC29/WG1小委員会の委員として標準化活動に参加され 2014年にはJPEGのロゴの策定に貢献されました。 2019年にはJPEG2000 Part 1 第4版(ISO/IEC 15444-1:2019)およびHigh- Throughput JPEG2000(ISO/IEC 15444-15:2019)ならびにJPEG2000 Part5の保守(ISO/IEC 15444-5:2015/AMD1)のプロジェクトエディタとしてこれらの規格策定に多大な貢献をされました。