産業標準化表彰令和7年度

*本ぺージは、経済産業省の下記ページを加工して作成。
https://www.meti.go.jp/press/2025/10/20251020002/20251020002-2r.pdf
https://www.meti.go.jp/press/2025/10/20251020002/20251020002.html内)

2025年10月21日に産業標準化に貢献した個人及び事業者に対する表彰が行われました.

経済産業大臣表彰

令和7年度は, 24名(うち、規格開発・認定・認証部門:21名、標準化人材育成・支援部門:1名、標準化・ルール形成戦略部門:2名)及び1組織の受賞で, JTC 1関係では下記の2名の方々が受賞されました。

杉村 領一 氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所)

高い技術力と粘り強い交渉を通じ、国際コンビーナ 4 件(WG 数 11 件)確保 。日本から、ユースケース 3 件、ライフサイクル 1 件、機能安全 4 件、データ品質 5 件など総計 15 件の国際規格を提案し成立。エディタも 5 人育成。国際規格の JIS 化を推進し、原案作成委員会委員長として 1 件、幹事として2 件を完成。SC42(人工知能)総会の日本開催、 AI 国際標準化シンポジウム開催を成功させた。ITU、NIST、Partnership AI 等、国際的に高いプレゼンスの会議で日本の活動を紹介し国際的な評価向上に大きく貢献。また経済産業省の委員会等において指導的貢献をなした。

近澤 武 氏 (独立行政法人情報処理推進機構)

ISO/IEC JTC1(情報技術)/SC27(情報セキュリティ、サイバーセキュリティ及びプライバシー保護)/WG2(暗号とセキュリティメカニズム)のコンビーナとして、日本企業や国立研究開発法人が得意とする暗号アルゴリズム・プロトコルの国際標準化を主導、これらを含む計 70 件の国際規格発行に成功。また、ISO/IEC  JTC1/SC27 の国内委員長、 SC27/WG4(セキュリティコントロールとサービス)のエキスパートとして IoT セキュリティラベリングの国際規格への日本制度の記載提案、JIS 管理及び要約 JIS 化調査研究委員会の WG や電子政府向けの CRYPTREC 暗号技術検討会にも参画、国内に貢献。

産業標準化事業表彰 ・ イノベーション・環境局長表彰

令和7年度は、16名(うち、規格開発・認定・認証部門:14名、標準化人材育成・支援部門:1名、標準化・ルール形成戦略部門:1名)及び4組織貢献者表彰23名の受賞で, JTC 1関係では下記4名の方々が受賞しました.

鄭 育昌 氏 (富士通株式会社)

ISO/IEC JTC1/SC42(人工知能)において、プロジェクトエディターとして 6 年以上に亘り AI の国際標準化活動を牽引。標準化とルール作りにおけるユースケースの重要性を各国に説明し、220 件以上の AI ユースケースを集め、ISO/IEC TR 24030(AIユースケース)の開発を主導。ユースケース分析を基に ISO/IEC 5338(AI システムライフサイクルプロセス)の開発を成功させた。現在、AI の安全性向上と社会実装を促進する ISO/IEC 25589(ヒューマン・マシン・チーミングのフレームワーク)開発を主導中。これらの活動を通じ、AI 技術の健全な発展と社会実装に貢献。

永井 彰 氏(NTT 株式会社)

 ISO/IEC JTC1(情報技術)/SC27(情報セキュリティ、サイバーセキュリティ及びプライバシー保護)
/WG 2(暗号技術)国内委員長及び国際エキスパートとして、日本発暗号技術の国際標準化・国内外審議団体の組織運営に貢献。ID ベース認証鍵交換方式及び耐量子計算機暗号方式について、国際会議にて文書編集エキスパートを務めるなど当該分野の ISO 規格化を主導。前記技術は、計算機資源に制約のある IoT 機器の安全性向上及び量子計算機への攻撃耐性により、あらゆる分野での安全性向上・市場拡大が見込まれる。今後、日本提案が有利となる暗号メカニズムの採用基準への見直しなど暗号技術の国際標準化における日本の地位向上に資する貢献が期待できる。
 

中神 央二 氏(ソニー株式会社)

2012 年より ISO/IEC JTC1(情報技術)/SC29(音声、画像、マルチメディア、ハイパーメディア情報符号化)の MPEG(動画像符号化)の会合にエキスパートとして継続して参加。ブラジルの次世代放送方式に採用されている PCC(点群符号化)技術の標準化作業にて Ad hoc 議長やプロジェクトリーダーとして貢献。さらにはストリーミング配信で広く使用されている HEVC(高能率ビデオ符号化)や次世代放送方式として ARIB、ATSC、DVB で採用されている VVC(多用途映像符号化)の国際規格化にも貢献。2021 年 1 月からは JTC1/SC29/MPEG ビデオの国内委員長として委員会運営に尽力。
 

藤川 正寛 氏(オムロン株式会社)

ISO/IEC JTC1(情報技術)/SC31(自動認識及びデータ取得技術)/WG1(データキャリア)にエキスパートとして参加し、対象物に直接シンボル(QR コードなど)を印字する技術である DPM(Direct Part Marking)におけるシンボル印字品質の評価方法を定義した ISO/IEC 29158 の Co-Project Leader として規格改訂に大きく貢献。グローバルでトレーサビリティの重要性が増す中、印字品質評価を安定させる今回の改訂の意義は大きい。また、国内でも、日本提案の ISO 規格や JIS の完成度を高めることに尽力。今後も標準化活動に貢献することが期待される。