産業標準化表彰令和元年度
2019年10月8日に都市センターホテルにおいて,産業標準化に貢献した個人及び事業者に対する表彰が行われました. https://www.meti.go.jp/press/2019/10/20191007001/20191007001.html
経済産業大臣表彰
本年度は,個人21名,4組織の受賞で,当調査会の推薦で個人1名、2組織が受賞しました.
経済産業大臣表彰 (個人): 鈴木 俊宏 氏 (日本オラクル株式会社)
ISO/IEC JTC 1(情報技術)/SC 38(クラウドコンピ ューティング及び分散プラットフォーム)国内対策委員会の委員長を 8 年にわたり務め、インターネットを経由して、分散したコンピュータ資源をサービスの形で提供するための基盤である分散プラットフォームの国際標準化に尽力。特に、日本の法令やガイドラインなどの遵守事項が国際規格と齟齬が起きないよう積極的に働きかけ、日本特有の事情を盛り込むべく、在任中 6 件の規格制定に寄与。さらに、2 件の JIS 原案作成を作成委員会の委員長として名実ともに主導。
経済産業大臣表彰 (組織): 日本マイクロソフト株式会社
1998 年から現在に至るまで、IT の基本(符号化文字集合など)から最新技術(AI、クラウド、情報セキュリティなど)の標準化に至るまで、国内外の標準化活動に長年にわたり尽力。特に、国際的には、IEC TC 100(オーディオ・ビデオ・マルチメディアシステム及び機器)/TA 10(電子出版及び電子書籍)の国際幹事や、ISO/IEC JTC 1 からの IEC TC 100 への国際リエゾン代表者として活躍。国内では、様々な IT 分野の 15 件の JIS の制定、改正に携わり、我が国の IT 産業の基盤技術における標準化の中心的存在としてその貢献は大。
経済産業大臣表彰 (組織): 富士通株式会社
ISO、IEC 及び、ISO/IEC JTC 1(情報技術)の国際標準化活動に積極的に取り組み、日本のプレゼンス向上に寄与。特に JTC 1/SC 42(人工知能)、SC 37(バイオメトリクス)及び SC 29(音声、画像、マルチメディア、ハイパーメディア情報 符号化)並びに ISO/TC 268(持続可能な都市とコミュニティ) 及び IEC/TC 100(オーディオ・ビデオ・マルチメディアシステム及び機器関連)において国際・国内の要職を担当し、多岐な分野に渡って積極的かつ広範囲に国際標準化活動を主導。これにより、日本のバイオメトリクス(生体認証)認証技術が海外も含めた金融 ATM や空港セキュリティに利用されるなど、日本が得意とする各種技術分野について、世界的な普及・促進に大きく貢献。
産業技術環境局長表彰
本年度は,貢献者表彰17名,奨励者表彰4名,功労者表彰7名4組織の受賞で,当調査会の推薦で奨励者表彰を2名, 功労者表彰を1名が受賞しました.
奨励者表彰受賞者: 大山 潤爾 氏 (国立研究開発法人産業技術総合研究所)
ISO/IEC JTC1/SC35/WG6(情報技術/ユーザインタフ ェース/ユーザインタフェースアクセシビリティ) のエキスパートとして貢献。特に、ISO/IEC 20071-23:2018(ユーザインタフェース構成要素の アクセシビリティ第 23 部:聴覚情報の可視化(字 幕を含む)の指針)においてプロジェクトエディタ として国際規格の取りまとめに貢献。また、 ISO/TC159(人間工学)/WG2(特別な配慮を必要とする人々のための人間工学)のエキスパートとして 最小可読文字サイズ推定法の規格開発など高齢者 障害者関連製品におけるアクセシビリティの推進 に寄与。
奨励者表彰受賞者: 水野 由紀子 氏 (一般財団法人日本規格協会)
ISO/IEC JTC 1/SC 35/WG 6(情報技術/ユーザイン タフェース/ユーザインタフェースアクセシビリ ティ)において、日本提案である「ビデオコンテ ンツにつける字幕」の国際標準の制定にエキスパートとして参画し、プロジェクトエディタを補佐。 また、ISO/TC 159(人間工学)、ISO/TC 173(福祉 用具)及び IEC/SyCAAL(自立生活支援)でもセク レタリなどの役職を務め、高齢者障害者関連分野 におけるアクセシブルデザインの標準化推進に寄 与。
功労者表彰受賞者: 高村 誠之 氏 (日本電信電話株式会社)
2011 年以降 ISO/IEC JTC 1/SC29(情報技術/音 声,画像,マルチメディア,ハイパーメディア情 報符号化)国内対策委員会委員長として、600 余りの投票案件の調整や 9 件の講習会企画、46 件 の解説活動を通し、規格の普及を強力に牽引。 標準化提案した技術は MPEG-H HEVC(4K/8K 衛星 テレビ放送、スマートフォンなどで用いられる 現在最新の動画符号化規格)に含まれ、また符 号化を劇的に高速化・高性能化する基本技術を 自ら考案するなど、規格の実用性向上に貢献。