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JPEG/MPEG最前線 ~国際標準化最新動向、AI活用と将来への展望~

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2020年度にSC29は、スムーズに新体制に移行し,引き続き JPEG/MPEG 国際標準化を推進している.しかし,マルチメディア符号化技術には、センシング技術や AI 技術の発達により、多くの変革が起こりつつある。従来の手法を、DNN を活用する事により、飛躍的に性能を改善する事例も多く出つつある.また、センシング技術の発達により目で見た実世界をそのまま,キャプチャしてデジタル空間に取り込む事も可能になりつつある.デジタル・ツインやメタバースといった新しいサービス・プロダクトが生まれつつある.本セミナーでは,SC29 での JPEG/MPEG 国際標準化の最新動向と、メディア符号化を取り巻く環境と、将来に展望と検討状況を解説する.

開催概要

 

【タイトル】JPEG/MPEG最前線 ~国際標準化最新動向、AI活用と将来への展望~
【開催日時】2022年11月15日(火)10:00 ~ 17:15  (申込者様限定で後日、期間限定の見逃し配信を行います。)
【開催形態】オンライン(Zoomウェビナー)
【主催】一般社団法人 情報処理学会, 一般社団法人 情報処理学会 情報規格調査会
【協賛】一般社団法人 照明学会、一般社団法人 電子情報技術産業協会、一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会、公益社団法人 日本技術士会、一般社団法人 映像情報メディア学会、一般社団法人 電子情報通信学会、IEEE東京支部

申し込み

 本イベント参加には、Peatixによる事前申し込みが必要です。

申込はこちら

【参加費】(消費税込)*配布資料含
正会員: 30,000円, 一般非会員: 40,000円, 学生: 5,000円
※情報処理学会 個人会員/賛助会員、情報規格調査会 規格賛助員/規格準賛助員および協賛団体の個人会員は会員価格となります。社会人学生の方は、正会員または一般非会員の適用です。
お支払方法は、VISA、Master、JCB、AMEX、コンビニ/ATM、請求書払い、がございます。
※請求書払いでのお申し込み期限は【11月1日 10:00】までです。お早目のお申込みお願いします。詳しくは、こちらをご覧ください。

プログラム

プログラム詳細はこちら
講演時間見込み 講演タイトル 講師
10:00-10:10 開会挨拶 鈴木輝彦(ソニーグループ株式会社)
 SC 29 標準化動向 
10:10-10:40 「MPEG-I Immersive Audioの最新標準化動向」 知念徹(ソニーグループ株式会社), 杉本岳大(日本放送協会)
10:40-11:30 「Versatile Video Coding (VVC)の概要と実用化(配信と放送)および今後の拡張」  河村圭 (KDDI 総合研究所株式会社)、猪飼知宏(シャープ株式会社)、数井君彦(富士通株式会社)
11:30-12:00  「イマーシブメディア配信技術の最新標準化動向と実用化に向けた展望」 高橋遼平(ソニーグループ株式会社)
12:00-13:00 休憩
AI に向けた取り組みと展望
13:00-13:20 「Video codingへの機械学習動向」 猪飼知宏(シャープ株式会社)
13:20-13:40 「JPEG family での AI に向けた取り組み」 渡邊修(拓殖大学)
メディアの未来、メタバースを実現する技術
13:40-14:00 「空間映像の伝送に向けた取り組み」 中神央二(ソニーグループ株式会社)
14:00-14:20 「イマーシブメディアのレンダリングに向けたMPEGシステム技術の展望」 青木秀一(日本放送協会)
14:20-14:40 「周りに配慮をしながらイマーシブメディアに没入するための音響デバイスとその技術」 知念徹(ソニーグループ株式会社)、鎌土記良(日本電信電話株式会社)
14:40-14:50 休憩
14:50-15:10 「ハプティクスの標準化動向」 平林光浩(ソニーグループ株式会社)
15:10-15:40 「Lenslet Video Coding の動向」 藤井俊彰(名古屋大学)
15:40-16:25 パネルディスカッション モデレーター:鈴木輝彦(ソニーグループ株式会社)パネラー:猪飼知宏(シャープ株式会社)、渡邊修(拓殖大学)、中神央二(ソニーグループ株式会社)、青木秀一(日本放送協会)、知念徹(ソニーグループ株式会社)、鎌土記良(日本電信電話株式会社)、平林光浩(ソニーグループ株式会社)
16:25-16:35 休憩
16:35-17:05 「JPEG Pleno holography: An Overview - Standardization of Digital Hologram compression as a new modality」Tobias BIRNBAUM(Vrije Universiteit Brussels )
17:05-17:15 閉会挨拶 浅井光太郎(三菱電機株式会社)
17:30-18:30 交流会 SpatialChatにて開催
司会・オーガナイザ
高村誠之(法政大学/日本電信電話株式会社)

参加について

【参加の流れ】

 本イベントはZoomウェビナーにてオンライン開催いたします。
Zoomの事前登録につきましては、開催1週間前を目途にご案内いたします。Zoomウェビナー参加の流れに関するマニュアルは、こちらからご確認ください。

【配布資料】

 セミナー開催日前日(11月14日)午前中に配布資料をダウンロードいただけるURLとIDそしてパスワードを電子メールにてお送りいたします。

【参加証明書】

 参加証明書が必要な方は、次の情報を下記お問い合わせ窓口までご連絡ください。
メールアドレス/ご氏名/ご所属/参加証明書の宛名*(*指定がある場合。特に記載がなければ所属と氏名になります。)

【お問い合わせ窓口】

プログラム詳細

10:00-10:10「開会挨拶」

鈴木 輝彦(ソニーグループ株式会社、SC 29専門委員会委員長/SC 29前国際議長)

【略歴】1992年 東京工業大学大学院理工学研究科 博士前期課程 修了、同年ソニー株式会社入社。以来、映像信号処理、符号化技術の研究開発に従事。1995年よりISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11(動画像符号化)国際標準化に参加。Editor, AHG chair 等を担当。2017年~2020年 ISO/IEC JTC 1/SC 29国際議長を務める。2007年 情報規格調査会 標準化貢献賞、2008年 経済産業省産業技術環境局長表彰、2016年 情報規格調査会 標準化功績賞、2020年 経済産業省 経済産業大臣表彰、各受賞。

SC29標準化動向

10:10-10:40「MPEG-I Immersive Audioの最新標準化動向」

概要
MPEG Audioでは、ARやVR、空間/体験共有型Social VRなどのイマーシブメディアをターゲットにした音響技術:MPEG-I Immersive Audioの標準化を進めている。既存のMPEG-H 3D Audioが3DoF(degrees of freedom)対応のオーディオ技術であるのに対し,MPEG-I Immersive Audioは6DoF対応のオーディオ技術であり,リスナー自らが選択した聴取点での音響を体験できる点が根本的な相違点である。本セミナーでは、3D Audioおよびオブジェクトベース音響の要素技術の解説に加え、MPEG-I Immersive Audio標準化の最新動向を紹介する。
【講師】
  • 知念徹(ソニーグループ株式会社、MPEG Audio小委員会幹事)

【略歴】
1991年、東京都立大学電気工学専攻修士課程修了。同年新日本製鉄(株)入社。以来、音声音響符号化技術に関する研究開発に従事。2003年、ソニー入社。近年は3次元音響符号化システムの研究開発とMPEG Audio標準化活動に従事。MPEG Audio小委員会幹事(2012年11月~)。ARIB音声符号化方式作業班 委員(2007年7月~)。2014年、第62回電気科学技術奨励賞及び電気科学技術奨励会会長賞、2016年、第24回日本音響学会技術開発賞、2016年、経済産業省 国際標準化貢献者表彰、2018年、情報規格調査会 標準化貢献賞及び国際規格開発賞、2021年、情報規格調査会 国際規格開発賞、各受賞。
 
  • 杉本岳大(日本放送協会、MPEG Audio小委員会幹事)

略歴: 2001年、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。同年日本放送協会入局。2004年より同協会放送技術研究所にて、放送システムにおける音声符号化方式、イマージブメディア用の音響技術、音響トランスデューサの研究開発およびMPEG・ARIBでの標準化活動に従事。2008年、日本音響学会技術開発賞、2009年、放送文化基金賞、2013年、市村学術賞貢献賞、日本音響学会技術開発賞、2015年、映像情報メディア未来賞フロンティア賞、2016年、日本音響学会技術開発賞、2016年、関東地方発明表彰奨励賞、2018年、情報処理学会情報規格調査国際規格開発賞、2019年、電気通信普及財団賞、2021年、電子情報通信学会編集活動貢献賞、2022年、情報処理学会情報規格調査会標準化貢献賞、各受賞。博士(工学)。AES Fellow。

10:40-11:30「Versatile Video Coding (VVC)の概要と実用化(配信と放送)および今後の拡張」

概要
最新の映像符号化方式VVC(Versatile Video Coding)の規格化が2020年7月に完了し、各社からエンコーダ、デコーダの開発が報告されている。本講演では、VVCの概要とともに、配信や放送での利用を見すえた実用化動向を紹介する。VVCは、2013年に登場したHigh Efficiency Video Coding (HEVC)の後継規格であり、主観画質において約2倍の符号化効率改善(1/2の符号量で同一画質)を実現している。すでに、配信を想定したモバイル端末で動作するデコーダや、4K/8K解像度に対応したコーデックが登場している。電波産業会(ARIB)は地上デジタル放送方式の高度化に必要な技術的検討の一環として、2K/4K放送のVVC所要ビットレート導出実験を実施した。現時点でのARIBにおける検討状況を紹介する。さらに、2021年1月に規格化が完了したVVC第2版と、会合で検討中のVVCの拡張方式の動向を解説する。
【講師】
  • 河村圭(株式会社KDDI総合研究所、SC 29/MPEG VIDEO小委員会委員)

略歴:
2010年、早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士課程修了。同年、KDDI(株)入社。現在、(株)KDDI総合研究所先端映像通信グループリーダー。2016年日本ITU協会 国際活動奨励賞 功績賞分野、2020年情報規格調査会 標準化貢献賞 受賞。主に、動画像や点群、動的メッシュを対象とする符号化方式の研究・開発および国際標準化に従事。博士(国際情報通信学)。
 
  • 猪飼知宏(シャープ株式会社、SC 29/MPEG VIDEO小委員会エキスパート)
 略歴:
1999年、シャープ(株)入社。映像録再機器およびネット接続端末の開発に従事後、HEVC及びVVCの標準化活動に参加。近年では高ビット深度拡張を含むVVV第2版を主導し、現在、JVET(Joint Video Experts Team)での次世代映像符号化技術の探索活動、MPEGのダイナミックメッシュ符号化の規格化に関わる。

  • 数井君彦(富士通株式会社、SC29/MPEG SYSTEMS/MPEG-7 SG主査)

略歴:
1993年東京工業大学修士課程了。同年(株)富士通研究所入社。以来、映像の符号化技術及び処理技術の研究開発及び国内外の標準化活動に従事。2020年から(一社)電波産業会映像符号化方式作業班主任。現在、富士通(株)研究本部主任研究員。
 

11:30-12:00「イマーシブメディア配信技術の最新標準化動向と実用化に向けた展望」

概要
MPEG-Iは、イマーシブメディアの符号化・配信技術を規定する国際標準規格群である。現在、通信帯域変動のある環境においても高精細なイマーシブメディア体験をユーザーに届けることを目的に、イマーシブメディア配信技術の標準化が進行している。本セミナーでは、全天球メディア配信をスコープとするPart 2 Omnidirectional MediA Fomat (OMAF)、ポイントクラウドメディア配信をスコープとする Part 10 Carriage of Visual Volumetric Video-based Coding (V3C) DataおよびPart 18 Carriage of Geometry-based Point Cloud Compression (G-PCC) Dataを中心に、各規格の最新版で規定されているイマーシブメディア配信技術について解説する。さらに、イマーシブメディア配信技術の実用化に向けた展望についても紹介する。

【講師】
高橋 遼平(ソニーグループ株式会社、SC 29/MPEG SYSTEMS小委員会委員)
略歴:
2008年、東北大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、ソニー(株)入社。2016年より次世代コンテンツ配信技術の研究開発・標準化活動に従事。現在、MPEG-I Part 2 OMAF, Part 10 Carriage of V3C data, MPEG-I Part 18 Carriage of G-PCC Dataを中心に、MPEG Systems標準化活動を行っている。MPEG-I Part 18 Carriage of G-PCC Dataのproject editorを担当。 

AI に向けた取り組みと展望

13:00-13:20「Video codingへの機械学習動向」

概要
深層学習の映像応用は2022年も活況である。その最新動向を説明するとともに、現在、JVETで規格化が行われているニューラルネットワークネットワーク符号化(NNC)を利用したポストフィルタ補助拡張情報、MPEGでの機械向け映像標準化(Video Coding for Machines)の動向を説明する。

【講師】
猪飼知宏(シャープ株式会社、SC 29/MPEG VIDEO小委員会エキスパート)

略歴:
1999年、シャープ(株)入社。映像録再機器およびネット接続端末の開発に従事後、HEVC及びVVCの標準化活動に参加。近年では高ビット深度拡張を含むVVV第2版を主導し、現在、JVET(Joint Video Experts Team)での次世代映像符号化技術の探索活動、MPEGのダイナミックメッシュ符号化の規格化に関わる。 

13:20-13:40「JPEG family での AI に向けた取り組み」

概要
ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 1(JPEG)では,深層学習をベースにした新しい画像符号化標準であるJPEG AI (ISO/IEC 6048)の標準化作業が進んでいる.また,JPEG Pleno Point Cloud Codingにおいても,AIベースの方式の検討が進んでいる.本講演では,JPEG AI・JPEG Pleno Point Cloud Coding両プロジェクトの作業進捗の解説を中心にJPEGファミリー標準におけるAI技術への取り組みを紹介する.

【講師】
渡邊 修(拓殖大学,JPEG小委員会主査)
略歴:
2004年、東京都立大学大学院電気工学専攻博士課程修了、博士(工学)。同年、拓殖大学工学部助手、現教授。2010年よりISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 1国内小委員会(現JPEG小委員会)委員、2020年6月より主査。2019年情報規格調査会 国際規格開発賞、2020年情報規格調査会 標準化貢献賞。 

メディアの未来、メタバースを実現する技術

13:40-14:00「空間映像の伝送に向けた取り組み」

概要
撮影技術の進歩に伴い、物体を3次元で表現する空間映像(Volumetric video)の活用が着目されています。空間映像は、臨場感のある体験をもたらす一方で、データサイズが巨大になることが、実用化に向けた課題となります。これに向けた、MPEGでの空間映像の圧縮・伝送に向けた取り組みとして、ポイントクラウドやDynamic Meshとよばれるリアルタイム空間映像に向けた最新の規格化動向について紹介します。

【講師】
中神 央二(ソニーグループ株式会社、MPEGビデオ小委員会主査、JPEG小委員会委員)
略歴:
2004年、早稲田大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了。同年、ソニー(株)入社。
以来、映像信号処理・圧縮の研究開発に従事。2012年より国際標準化活動に参画。
V-PCC(ISO/IEC 23090-5)およびG-PCC(ISO/IEC 23090-9) Project leaderを担当。

14:00-14:20「イマーシブメディアのレンダリングに向けたMPEGシステム技術の展望」

概要
イマーシブメディアは、映像空間内を移動し自由な視点からの全方位映像を楽しみながら、あたかもその空間にいるような体験ができる高臨場感メディアである。本セミナーでは、シーン記述やビデオデコーダインターフェースなどMPEG-I 「イマーシブメディアの符号化表現」(ISO/IEC 23090)のシステム技術を紹介する。さらに、ライトフィールドディスプレイも含めたさまざまなディスプレイでイマーシブメディアを表示することを目的に、レンダリングベースのアプリケーションとして議論されている今後のシステム技術についても紹介する。

【講師】
青木秀一(日本放送協会、MPEG SYSTEMS小委員会幹事)
略歴:
2003年、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。2013年、同情報理工学系研究科博士課程修了。2003年にNHK入局。以来、放送技術研究所にて4K・8K放送システムやイマーシブメディアの研究開発とMPEG、ATSC、ITU-R等での国際標準化に従事。2018年、経済産業省国際標準化奨励者表彰、2019年、全国発明表彰21世紀発明奨励賞、2020年、情報通信技術賞TTC会長表彰、日本ITU協会功績賞、各受賞。博士(情報理工学)。 

14:20-14:40「周りに配慮をしながらイマーシブメディアに没入するための音響デバイスとその技術」

 【概要
5G通信・ネットワークの普及により、イマーシブなコンテンツを場所を選ばず楽しめる世界が実現しつつある。昨今では、これらのコンテンツ再生用音響デバイスとして、安価になりつつあるサウンドバー等のラウドスピーカや、イヤホンやヘッドホンが可搬性の高さから広く普及している。イヤホンやヘッドホンなどの音漏れしにくいデバイスは耳への高い圧迫感を伴い、没入感を損なう大きな原因となる。また、周りの音が聞こえないことから移動時の利用においては事故や周囲への迷惑行為の誘発などが社会課題ともなっている。オープンイヤー型のイヤホン・ラウドスピーカなどでは、近隣への配慮として「音漏れ」を解決する必要がある。
本セミナーでは、これらの課題をターゲットとした音響デバイスの最新技術動向を紹介する。

【講師】
  • 知念徹(ソニーグループ株式会社、MPEG Audio小委員会幹事)
略歴:
1991年、東京都立大学電気工学専攻修士課程修了。同年新日本製鉄(株)入社。以来、音声音響符号化技術に関する研究開発に従事。2003年、ソニー入社。近年は3次元音響符号化システムの研究開発とMPEG Audio標準化活動に従事。MPEG Audio小委員会幹事(2012年11月~)。ARIB音声符号化方式作業班 委員(2007年7月~)。2014年、第62回電気科学技術奨励賞及び電気科学技術奨励会会長賞、2016年、第24回日本音響学会技術開発賞、2016年、経済産業省 国際標準化貢献者表彰、2018年、情報規格調査会 標準化貢献賞及び国際規格開発賞、2021年、情報規格調査会 国際規格開発賞、各受賞。

  • 鎌土 記良 (日本電信電話株式会社)
略歴:
2012年、奈良先端科学技術大学院大学博士後期課程修了。博士(工学)。同年日本電信電話株式会社サイバースペース研究所(現NTTコンピュータ&データサイエンス研究所)に入所、2015年NTTドコモに転籍、一貫して音声認識・音声対話に関する先端的ハードウェア・ソフトウェアの研究開発に携わり、my daiz・ドコモAIエージェント API などのシステムとして商用化を成し遂げる。2020年NTTコンピュータ&データサイエンス研究所に復職、コロナ感染対策として窓を閉めたままでも容易に会話をすることができるウィンドウトーク技術、ユーザの好みの音を通過させ、聞きたくない音、聞かせたくない音を遮断する音空間パーソナライズドサウンドゾーン技術等、既存オーディオデバイスの枠を超えるUXを音響ハードウェア・ソフトウェアの融合により成し遂げる研究開発に現在従事。現職。 

14:50-15:10「ハプティクスの標準化動向」

概要
イマーシブメディアをスコープとする最新技術規格であるMPEG-Iにおいて、昨年からハプティクスメディアの圧縮技術である Part31 Haptics Codingの規格化が始まっている。さらに、今年から自由視点空間のシーン構成技術であるPart14 Scene Descriptionにおいても、ハプティクスサポートの規格化が始まった。ハプティクスメディアは、3Dビデオオブジェクトデータとの同期再生、あるいはユーザーと3Dビデオオブジェクトデータによるインタラクション再生が想定されている。
本セミナーでは、ハプティクスメディアにより実現が想定されるユースケース、技術要件、そして、標準化が進むハプティクスメディアの圧縮技術およびシステム技術の標準化動向について解説する。

【講師】
平林光浩(ソニーグループ株式会社、MPEG SYSTEMS小委員会幹事)
略歴:
1991年ソニー(株)入社。業務用AV機器開発、メモリースティック開発などを経て、2000年より、メディアフォーマットの研究開発に従事。2008年IEC/TC100標準化活動を経て、2011年よりMPEG SYSTEMS標準化活動(MPEG-DASH・MP4 File Format)に参画し、近年のMPEG SYSTEMS標準化活動(VVC File Format/MPEG-I OMAF/PCC-Systems)に加え、現在はHaptics関連のCODEC標準化及びMPEG SYSTEMS標準化(Scene Description V2 for Haptics/Haptics File Format)に従事している。2010年、IEC(国際電気標準会議)1906賞、2016年、経済産業省 国際標準化貢献者表表彰、2017年、情報規格調査会 標準化貢献賞、各受賞。 

15:10-15:40「Lenslet Video Coding の動向」

概要
マイクロレンズアレイを用いた裸眼観察可能な3次元立体ディスプレイとしてインテグラル・フォトグラフィ(Integral Photography; IP)が古くから知られている。この技術に基づいて直接撮像・伝送・表示を行う方式が1990年代後半から研究されているが、2000年代中頃に一眼カメラにレンズアレイを組み込んだ、いわゆる「ライトフィールド・カメラ」が商品化されてから、一般ユーザが手軽に撮影できる環境が整ってきた。MPEGにおいては、ライトフィールド符号化の標準化が長らく議論されてきたが、特に密なライトフィールド(Dense LightField)の一形態としてマイクロレンズアレイを用いて撮影された画像の符号化方式の標準化の機運が高まり、"Lenslet Video Coding"という名称で活動が開始された。本講演では、IPの原理や直接撮像・表示方式、及びその符号化の研究を概観するとともに、標準化会合における Lenslet Video Codingの動向について述べる。

【講師】
藤井俊彰(名古屋大学)
略歴:
1995年、東京大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。同年、名古屋大学大学院工学研究科助手。2003年、同助教授。2008−2010年、東京工業大学大学院理工学研究科准教授。2012年、名古屋大学大学院工学研究科教授、現在に至る。画像処理、映像符号化、特に3次元映像処理・通信,3次元映像システム、および3次元映像符号化の国際標準化活動に従事。2016年電子情報通信学会論文賞、2017年度映像情報メディア学会丹羽高柳賞論文賞、FIT2017(第16回情報科学技術フォーラム)FIT船井ベストペーパー賞ほか受賞。電子情報通信学会フェロー、情報処理学会、映像情報メディア学会、IEEE各会員. 

15:40-16:25「パネルディスカッション」

モデレーター:鈴木輝彦(ソニーグループ株式会社)
パネラー:猪飼知宏(シャープ株式会社)、渡邊修(拓殖大学)、中神央二(ソニーグループ株式会社)、青木秀一(日本放送協会)、知念徹(ソニーグループ株式会社)、鎌土記良(日本電信電話株式会社)、平林光浩(ソニーグループ株式会社)

16:35-17:05「JPEG Pleno holography: An Overview - Standardization of Digital Hologram compression as a new modality」

概要
<TBD>
*本講演は英語で行われます(通訳なし)。
【講師】
Tobias BIRNBAUM(Vrije Universiteit Brussels, Post doctoral researcher, ISO/IEC 21794-5 (JPEG Pleno Part 5, JPEG Pleno Holography) co-editor)

略歴:
Diploma in applied mathematics, TU Bergakademie Freiberg, 2016
Bachelor in applied natural science, TU Bergakademie Freiberg, 2012
Ph.D, Vrije Universiteit Brussels, 2022
ISO/IEC 21794-5 (JPEG Pleno Part 5, JPEG Pleno Holography) co-editor 

17:05-17:15「閉会挨拶」

 浅井光太郎(三菱電機株式会社、SC 29専門委員会エキスパート)

略歴:1981年、東京大学工学部電気工学科卒業、同年三菱電機株式会社入社。映像符号化伝送技術の研究開発に従事、1988年から同技術分野の国際標準化活動に参加。2006~2017年、ISO/IEC JTC 1/SC 29国際議長。2015年工業標準化事業表彰経済産業大臣表彰、2018年情報規格調査会 標準化功績賞。博士(経営情報科学)。 

司会・オーガナイザ

 高村誠之(法政大学/日本電信電話株式会社、SC 29専門委員会委員/前委員長)

略歴:
1996年、東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了、同年日本電信電話株式会社入社。以来、高能率映像符号化技術の研究開発と標準化に従事。2022年より法政大学情報科学部教授 兼 NTTコンピュータ&データサイエンス研究所客員上席研究員。2011~2021年、SC 29専門委員会委員長。2019年 産業標準化事業表彰(産業技術環境局長表彰)産業標準化功労者表彰、2020年 産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)、2021年 情報規格調査会 標準化貢献賞、2022年 同 標準化功績賞など受賞。博士(工学)。 

よくある質問

【参加方法について】

 Q:Zoomウェビナーでの参加方法についての情報は、いつ送られてくるのですか?
 
A:開催概要ページの【参加の流れ】にマニュアルを掲載します。また、事務局より開催1週間前にZoom事前登録に関するご案内をお送りいたします。
 
Q:Zoomウェビナーでの参加方法についての情報メールが見当たりません(またはなくしてしまった)。
 
A:参加申込者様のお名前、メールアドレスをお問い合わせ窓口までメールにてご連絡ください。

【キャンセルについて】

Q:申込みをキャンセルしたいのですがどうしたらよいでしょうか?
 
A:イベント前日までに必ずE-mailでお問い合わせ窓口へご連絡ください。無断欠席、イベント開催後のキャンセルは準備の都合上参加費をいただきます。なお、代理での参加は可能です。
 
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