委員長挨拶

河合 和哉
情報規格調査会委員長/産業技術総合研究所

2021年に、伊藤智氏を引継いで、情報規格調査会の第7代の委員長に就任いたしました。

2020年からは、covid-19のパンデミックによって、世の中が劇的に変化しました。働き方改革をどのように実現できるかと議論しているうちに、covid-19への対応で、特に情報技術分野では多くの方が在宅勤務を余儀なくされました。私たちが担当する標準化活動においても、これまで重要な役割を果たしてきた対面での会議が、すべてオンラインでの開催を余儀なくされました。対面会議、オンライン会議には、それぞれ得手不得手があり、メリット・デメリットがあります。私たちの生活も少しずつ、covid-19以前に戻りつつありますが、私たちを取り巻く環境が変化する中、まったく同じには戻らないと思います。新しい環境で、新たな標準化活動の在り方を探り、推進していくことが求められていると思います。
外部要因によって改革を余儀なくされた訳ですが、単なる働き方の問題ではなく、社会課題である、カーボンニュートラルやSDGs、また我が国が推進するSociety 5.0の実現に向けて、JTC 1が担当する情報技術が果たす役割は非常に大きなものがあり、私たち、情報規格調査会が担当する標準化活動の役割とその重要性に代わりがないだけなく、ますます増しているものと思います。新しい環境の中でも、これまでと同様、また、それ以上の成果が求められています。規格役員会、技術委員会等で、みなさまのご意見をいただきながら、情報規格調査会としての標準化活動を推進してまいりますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

私たちが標準化を担当するJTC 1では、2017年にIoTの標準化活動を開始してから、2018年にはAI、2021年にはDigital Twin、2022年にはBCI(Brain-computer interface)とその担当する分野が広がっています。また、これらの新しい分野に限らず、JTC 1ではセキュリティやクラウドコンピューティングをはじめとして、現代の情報システムには欠くことができない標準の開発を担当しています。これらの分野ではJTC 1内部に留まらず、ISOやIECのTCや他の標準化団体と連携した標準開発が求められるようになってきており、国際のTCだけではなく、国内における各審議団体との連携も重要になっています。関連の団体とも情報共有や必要に応じて連携しながら標準化活動を進めてまいります。

これまでも、我が国の標準化活動に参画する人材の高齢化は課題として挙げられているところですが、私たち情報規格調査会も例外ではありません。現在、活躍頂いている皆様の次の世代の育成が急務だと認識しています。各賛助員企業様には、標準化人材の育成をお願いするとともに、情報規格調査会としても支援を図りたいと考えます。また、特に新しく設置された分野については、各分野の専門家に積極的に標準化活動に参加していただけるような環境の整備も必要と考えています。

covid-19の影響がなかなか収まらない中、私たちを取り巻く社会環境も大きな変化をしています。情報技術分野の標準化に関係する皆様とのコミュニケーションを深化させて、日本の情報技術関連産業の基盤強化に向け、活動を強化してまいりますので、皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。(2022年9月)