標準化功績賞・貢献賞: 2022

本学会情報規格調査会規程により、2022年度は2022年5月24日に開催の第37回規格総会で受賞者に表彰状が授与されました。

標準化功績賞

伊藤 智 氏(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)

伊藤氏は、2010年から副委員長として情報規格調査会の運営に参画され、2013年から2021年まで情報処理学会標準化担当理事、情報規格調査会委員長、規格役員会議長、技術委員会委員長等を務められました。特に、規格役員会の議長として本会の運営に多くの改革を推進され、収支改善と透明性・信頼性の向上を図り本会の運営に多大なる貢献をされました。また、国際的にもJTC 1総会等HoDとして参画され、日本のプレゼンス向上に多大なる貢献をされました。

新崎 卓 氏

新崎氏は、2002年のSC37の発足当初から国際標準化活動に献身的な貢献を続けられ、ISO/IEC 19794-8をはじめとする多くの標準規格でプロジェクトエディタを務めるなど顕著な功績を残されました。その間、SC37/WG3小委員会主査、SC37専門委員会委員長および国際HoD、ISO/TC68国際リエゾンを歴任され、19年の長きにわたりバイオメトリクス分野における日本のプレゼンスを大きく向上させると共に、FIDO JAISA等の各種関連団体での啓蒙活動に尽力することで国際標準の普及に著しい貢献を挙げられました。

高村 誠之 氏(日本電信電話株式会社/法政大学)

高村氏は、1998年から20年以上にわたり映像符号化技術のエキスパートとしてSC29関連規格の策定を通じた映像関連産業の活性化に大きく貢献され、またSC29専門委員会委員長として、SC29幹事国である日本の国益堅持、持続可能なSC29幹事国業務の仕組みづくり、SC29規格群の普及、次代を担う標準化人材の育成、本会の標準化活動の対外プレゼンス向上など、国内外の多方面にわたり大きな功績を残されました。

標準化貢献賞

市ヶ谷 敦郎 氏(日本放送協会)

市ヶ谷氏は、SC29/WG5において、HEVC(ISO/IEC 23008-2)、VVC(ISO/IEC23090-3)、Usage of CICP(ISO/IEC TR 23091-4 Ed.2)の国際標準化に多大な貢献をされました。また国内放送方式の標準化を通じて、当該規格の放送分野での利用促進に尽力されました。さらに4K/8KおよびHDRのテストシーケンスを提供、各社提案の主観および客観評価を可能にするなどビデオ符号化技術の発展および標準化に大きく貢献されました。

杉本 岳大 氏(日本放送協会)

杉本氏は、2013年よりMPEG Audio小委員会に委員として参加し、2016年からは幹事として運営に参画されました。その間、MPEG-4 AACで22.2マルチチャンネル音響を圧縮・伝送する場合のデコーダの実装要件を明確化し、プロジェクトエディタとしてISO/IEC 14496-3/AMD 6を標準化されました。さらに国内放送方式の標準化を通じて当該規格の4K/8K放送での採用を促し、MPEG-4 AACの放送分野での利用促進に貢献されました。

中神 央二 氏(ソニーグループ株式会社)

中神氏は、2012年よりSC29/MPEGの標準化活動に参加され ISO/IEC 23008-2(HEVC)の規格化に貢献されました。2021年より国内ビデオ小委員会主査を担当し、国内委員会の運営、国際標準化の場での日本の影響力向上に貢献されました。また2020年にはISO/IEC 23090-5(V-PCC)およびISO/IEC 23090-9(G-PCC)のプロジェクトエディタとして 規格策定に多大な貢献をされました。

丸山 文宏 氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所)

丸山氏は、SC42/WG4において国内小委員会主査および国際コンビーナとして、委員会立ち上げ時より活動をリードし、ISO/IEC TR 24030:2021(人工知能のユースケース)の発行およびISO/IEC 5338(AIシステムライフサイクルプロセス)並びにISO/IEC 5339(AIアプリケーションガイドライン)の開発に尽力されました。またSC42専門委員会の幹事として、円滑な委員会運営に貢献されました。更には、情報処理学会FIT2019 人工知能学会全国大会 EU-Japan AIワークショップ等での講演を通じてAI標準の普及に多大なる貢献をされました。

宮崎 幸生 氏

宮崎氏は、1994年9月からSC7/WG10小委員会に参画され、プロセスアセスメント規格(ISO/IEC TR 15504規格群、ISO/IEC 15504規格群、ISO/IEC 33K規格群)の策定に多大な貢献をされました。国際の場でも積極的かつ的確な発言により日本の見解をISドラフトに反映させるための活躍をされました。また、プロセスアセスメントの標準化セミナーの講師を務め、その普及活動に尽力されました。さらにJIS原案作成委員会の委員としてISO/IEC 33001~4およびISO/IEC 33020の日本語翻訳版の作成に貢献されました。

山田 茂史 氏(富士通株式会社)

山田氏は、SC37/WG5小委員会主査として評価コスト低減が可能な生体認証精度推定手法の開発に大きな貢献をされました。2019年度経済産業省戦略的国際標準化加速事業の支援の下で、研究グループを主導し極値統計理論に基づく新しい認証精度評価方式を開発されました。本方式の規格化に向けた精力的な国際提案活動により、ISO/IEC 5152プロジェクト開始に尽力し、コエディタとしてもCD段階への進行に貢献されました。さらに併行して国際学会にて本方式を発表して信頼性を示されました.