標準化功績賞・貢献賞: 2018

本学会情報規格調査会規程により,2018年度は2018年5月22日に開催の第33回規格総会で,受賞者に表彰状が授与されました。

標準化功績賞

浅井 光太郎 氏 (三菱電機株式会社)

浅井氏は,1988年から現在までの長きにわたり動画像符号化の標準化活動に多大な貢献をされました。 国内ではSC 29専門委員会および傘下の小委員会の委員また幹事として活動し 国際の場では1997年から2006年までSC 29/WG 11の日本代表団のHoDを担当されました。 さらに2006年から2017年までSC 29国際議長を務められ これらの期間に策定されたMPEG動画像符号化規格の成立に大きく貢献されました。

妹尾 孝憲 氏 (東京電機大学)

妹尾氏は,1990年から27年間に渡りSC 29専門委員会幹事やビデオ小委員会委員 システム小員会委員として SC 29/WG 11の複数のプロジェクトエディタや日本代表団のHoDを担当し動画像符号化やそのシステムの標準であるISO/IEC 13818(MPEG-2), 14496(MPEG-4), 15938(MPEG-7),21000(MPEG-21),23000(MPEG-A), 23005(MPEG-V),23008(MPEG-H), 23090(MPEG-I) シリーズの標準化を進められました。 その結果 これらの標準は実際の運用面に則した利用価値の高いものとして世界的な普及につながっています。

松本 隆明 氏 (独立行政法人 情報処理推進機構)

松本氏は,2013年から2017年まで 情報規格調査会副委員長・表彰委員会委員長・広報委員会委員長等を務められ,本会の運営に多大な貢献をされました。 また,1999年以来 歴任された所属組織から本会役職者・委員等を多数輩出され,長きに渡って本会の運営を主導する人材の開発に貢献されました。 さらに,現所属組織においては本会関連規格の活用にかかる出版事業等を統括され 本会成果の普及啓発に多大な貢献をされました。

吉岡 稔弘 氏 (AI総研株式会社)

吉岡氏は,1996年のSC 31専門委員会の設立当初より現在までの長きにわたって中心的なメンバーとして活躍されました。さらに1998年から2016年までの約18年間に渡りSC 31/WG 4/SG 5のコンビーナを, また2005年から2017年まで約12年に渡りSC 31/WG 2のコンビーナを務められ 固有識別子の構造に関する国際規格制定とSC 31の運営 ,日本のプレゼンスの向上に多大な貢献をされました。

標準化貢献賞

安達 辰巳 氏 (日本電気株式会社)

安達氏は,2009年からSC 32/WG 2小委員会に委員として参加し,2012年からは同委員会の主査を務められ日本提案の国際規格ISO/IEC 19763シリーズ(メタモデルの相互運用枠組み)の開発を取り纏められました。ISO/IEC 19763-6:2015(Registry Summary)ではプロジェクトエディタとしてメタデータレジストリを連携させるための国際規格の制定に尽力され, また同ISO/IEC 19763シリーズの活用の促進を狙い 国内事例に基づいたISO/IEC 19583シリーズを提案されるなど多大な貢献をされました。

織田 哲治 氏 (日本アイ・ビー・エム株式会社)

織田氏は,SC 2専門委員会委員長に就任した2013年以降 日本の電子政府で必要な人名・地名の漢字の標準化において,経済産業省の文字情報基盤整備事業と協業し,国際符号化文字集合ISO/IEC 10646規格への追加や異体字字形のデータベースへの登録などにおいてリーダーシップを発揮されました。また,国際規格案投票におけるコメント処理プロセスの改善案をまとめるなど 国際における日本のビジビリティ向上にも貢献されました。

小林 正幸 氏 (三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社)

小林氏は,2012年よりSC 7/WG 10小委員会幹事として委員会運営に貢献されました。特にISO/IEC 33000シリーズの開発にあたっては,ISO/IEC 15504など多くの関連文書を管理し,相互参照可能な環境を提供することにより整合性ある効率的なコメント処理を可能とし 国際規格開発を推進されました。またJIS X 33001, JIS X 33002等のプロセスアセスメントのJIS原案作成においても幹事として同様の貢献をされ,合わせてコスト削減にも貢献されました。

谷口 昭史 氏 (パイオニア株式会社)

谷口氏は,2011年から2017年までの6年間にわたりSC 23専門委員会の委員長として円滑な委員会運営に努められ光ディスクを始めとするデジタルメモリの国際標準化や光ディスクの信頼性評価等の応用分野の国際標準化の策定に尽力されました。また,2013年度からは経済産業省の公募事業による第2種専門委員会を立上げ自ら委員長として当該事業にもとづく光ディスクの期待寿命推定規格の国際標準化にも多大なる貢献されました。

知念 徹 氏 (ソニー株式会社)

知念氏は,ISO/IEC 23003-3(MPEG-D USAC),ISO/IEC 14496-3/AMD 6(MPEG-4 AAC),ISO/IEC 23008-3 (MPEG-H 3D Audio)の標準化において,国内委員会の幹事として日本産業界にとり必要不可欠な日本提案技術の国際標準への反映に大きく貢献されました。 特に,MPEG-H 3D Audioについては 複数の放送規格にも採用されるなど 日本提案の技術を国際的に広く普及展開させる大きな功績を残されました。

蝶野 慶一 氏 (日本電気株式)

蝶野氏は,SC 29/WG 11/Video小委員会の委員として標準化活動に貢献されました。ISO/IEC 23008-2(MPEG-H HEVC)とISO/IEC 13818-1:2007/Amd7(MPEG-2)の制定ではアドホックグループチェアとプロジェクトエディタをそれぞれ担当する等,多大な貢献をされました。さらに電波産業会 素材伝送 HEVCコーデック評価JTGにも参加され,当該規格の普及にも尽力されました。

本庄 利守 氏 (日本電信電話株式会社)

本庄氏は,2013年から2017年まで情報規格調査会の規格役員等を務められ,JTC 1総会への参加を通じて日本の主張が総会決議に的確に反映されるよう貢献されました。 また,財政と稼動の健全化に向けて専門委員会と本会事務局との役割分担を見直し,運営体制の改善に尽力されました。さらに,短期集中セミナーの企画・運営を主導され本会のプレゼンス向上ならびに財務基盤強化に貢献されました。

増田 聡 氏 (日本アイ・ビー・エム株式会社)

増田氏は,ISO/IEC 20246:2017のプロジェクトエディタとして国内外の議論をまとめ,規格制定まで各国を主導されました。国際会議にも積極的に参加しISO/IEC/IEEE 29119シリーズおよびISO/IEC 33063:2015においても自身のソフトウェアテストの専門知識をもとに国内外の意見を整理し,規格の制定および質の向上に貢献されました。また,SC 7/WG 26小委員会の幹事を務め国際標準化活動やその啓発に献身的に貢献されました。

峯澤 彰 氏 (三菱電機株式会社)

峯澤氏は,SC 29/WG 11/ビデオ小委員会に委員代理またエキスパートとして参加し,動画像符号化方式ISO/IEC 23008-2(HEVC)の国際標準化に貢献されました。国際会議にも継続的に参加され,多くの技術提案を行い 同規格の性能向上に大きく貢献されました。また,HEVCの10bit静止画符号化拡張規格では,プロジェクトエディタを務めるなど 国際規格の開発に尽力されました。

安室 浩和 氏 (日本アイ・ビー・エム株式会社)

安室氏は,2007年からSC 22/C++小委員会にオブザーバとして参加し,2008年に委員,2009年に幹事,2010年に主査に就任し活躍されました。その間,C++の第3版,第4版,第5版の制定においては多数のコメントを提出され 標準の品質向上に貢献されました。またリーダーシップをもって活動され作業量の多いC++の規格やTSの発行作業が滞りなく行われることに寄与されました。また,新規メンバの獲得 賛助員・準賛助員への勧誘など組織の活性化にも貢献されました。